GM:
【水族館コーラルパレスの思い出について】
数年前に閉鎖されたはずの水族館。
だが、夜中に光が灯っていた、内部に人影が見えた、ペンギンの鳴き声が聞こえたなど、不可解な噂が立っている。事前調査によって、レネゲイド反応および、内部構造が異常変化が確認された。
だが、倒産の際にかなりトラブルがあったらしく、現時点で確認出来る施設内部の情報はすべて失われていた。
たたひとつ、――あなたの記憶だけが頼りである。
あなたは小学生の頃、遠足でこの水族館を訪れていた。当時に見た館内図やパンフレット、資料の内容は、全て頭の中に入っている。
偶然そのことが判明したために、貴方はこうして普段の活動とは異なる任務に駆り出されていた。
鳴海 真中:バスの時刻表:当該路線は当時から10便減便、時間も変更
鳴海 真中:街並み:お土産屋は軒並み閉鎖、ホテルも撤退。コンビニとドラッグストアも改装済みだがチェーンは変わってない
鳴海 真中:海:ごみは減った。
鳴海 真中:つまりはまあ
鳴海 真中:「代り映えしませんね」
鳴海 真中:セーラー服の夏服に一応カーディガンを羽織り、手にはスクールバッグ。
鳴海 真中:学校を抜け出してきた不良にしか見えないだろう。運転手にも怪訝な顔をされた。
鳴海 真中:まあどうだっていいが
GM:事前に連絡があったエージェントとは、現地で合流する手筈である。
《散下月》:『あんたか! 水族館に行ったことがあるって嬢ちゃんは!』
《散下月》:『ナントカ対策室ってとこだろうに悪いな! 当日は俺と、あともひとりくらい捕まえてくる予定だ!』
《散下月》:『室長さんにしっかり言われてるからな! 危険なことはやらせねえから安心してくれよ! ハハハハ!』
鳴海 真中:「わかりました、こちらから増援の手配とかは無くて良さそうですかね?」
鳴海 真中:「……ああ」そういうことなら私が手配とかしなくていいのか
鳴海 真中:「了解です、では当日は宜しくお願い致します。」
《散下月》:『ああ、当日現地集合だ! それとも、小学校から送迎バスを出せた方が思い出しやすいか!』
《散下月》:K市現地のエージェントであったが、いささかデリカシーがなかった。
鳴海 真中:「………」
鳴海 真中:わざとなのか悪気がないのかいまいちわからなかったから曖昧に笑ってその場は辞した。
GM:そして現在、あなたはコーラルパレス前に来ている。
GM:もうすぐ集合時間だが、まだ《散下月》は来ていないようだった。
鳴海 真中:便が減っていることを見越して早めに来すぎたかもしれない。
鳴海 真中:エントランスの庇の下に立ってスクールバッグを下ろす。
鳴海 真中:まあさっさか終わらせればすぐに終わるだろう。うん。
鳴海 真中:いつも通りだ。そこに感慨はない。
鳴海 真中:一応寒いけど水分補給はしておこうかな、とコンビニで買ったスポーツドリンクを開ける
GM:そのとき、バス停の方から、ざ、と足音がした。
GM:ようやく任務のメンバーが来たのかと、あなたは振り返った。
ミドル1
GM:ミドル1
GM:それでは合流です。お二人の侵蝕上昇をお願いします。
鳴海 真中:鳴海真中のMPを1D10(→1)増加(42→43)
浅月透:40+1d10
DoubleCross:(40+1D10)→40+2[2]→42
GM:【K市海岸 水族館コーラルパレス 前】
GM:三名でのチーム任務。そうK市のエージェント《散下月》は言っていた。
GM:彼と、この施設に詳しいものと、UGNのK市外部増援の三名だ、と。
鳴海 真中:「お疲れ様です、あなたでしたか」
浅月透:「あ、ああ」「うん」
浅月透:「ひっ、さしぶり」
鳴海 真中:「そういえば復帰したんでしたっけ、おめでとうございます」
鳴海 真中:「泉さんが今度歓迎会の日程調整したいって言ってたんで連絡来たら付き合ってあげてください」
浅月透:え?あ~~~??どういうこと。いやこういうことなんだろうけど。理解と行動が結びつくかはまた別である。
浅月透:「え、ああ……分かった」
浅月透:「…………」
鳴海 真中:「……」
浅月透:「その……」
GM:ヒュゥウウ~。朽ちた板片が風に吹かれて流れてくる。
鳴海 真中:「何です?」
浅月透:「寒くないか」視線をペットボトルに向けて
鳴海 真中:「天気予報は見た上で服装は調整してきたので、大丈夫ですよ」
浅月透:「というか寒いな」「いや、けどまあ冷えるだろ」ささっと自販機まで走る。
浅月透:ピピピと日本のみ物を買う。
浅月透:ピロピロ~~
浅月透:クソ!当たりやがった!
浅月透:三人目のだと思って適当に買う。
浅月透:たったった。
浅月透:飲み物抱えまくり成人男性だ。
鳴海 真中:「……いいんですか?」収入は多分こっちのほうがあるというのに。
浅月透:「まあ、一応持っとけ」抹茶ラテ、コーヒー(微糖)見たことない炭酸
浅月透:「好きなの持ってっていいから」
鳴海 真中:「……では」おそるおそるコーヒーをもらっていく
鳴海 真中:あったかい。
浅月透:「おお……」よかった。浅月はコーヒーの微糖はギリのラインだ。
浅月透:「…………」
浅月透:「その」
鳴海 真中:「はい」
鳴海 真中:聞く体制ではある
浅月透:「元気、か?」
浅月透:何この質問
鳴海 真中:「まあ月並みには。」
鳴海 真中:実際、特に変わったことは無かった。
浅月透:「そっか……まあ、それは何より」
浅月透:違うよなあ???いる?さっきの質問。
浅月透:「じゃなくて」
鳴海 真中:「次は何です?」
浅月透:「いえ、その……あのですね」
浅月透:「別に黙ってたとか言う訳でなく」「一番最初に連絡を入れようと思っていたんだけど」
浅月透:「わざわざ、会いに行くのもなんか……じゃない?」「連絡先も……さあ」
鳴海 真中:「なんの弁明ですかそれは」
浅月透:「いや、その……復帰の話、です」
鳴海 真中:「別に気にしていませんよ、お忙しかったのでしょう?」
鳴海 真中:「そこにわざわざ文句を言うほど子供じゃないですよ」
浅月透:「………いや、けど」
鳴海 真中:「……?」怪訝そうな顔
浅月透:「約束していたのは、鳴海にだったから」
鳴海 真中:「……それを覚えていただいただけで、私にとっては十分ですよ」
浅月透:バツが悪そうに、抹茶ラテを開けて飲み込む。むせる。
浅月透:「……悪い」
鳴海 真中:「だーから謝らなくていいですって」
浅月透:「ごめ……ああ、いや。うん」
鳴海 真中:その辺で時計を見る、集合時間からどれくらいたったかな
浅月透:地面を見てます。
鳴海 真中:「…《散下月》さん来ませんね?」
浅月透:「あれ、まだ時間じゃない?」
GM:既に時間はだいぶ過ぎている。
鳴海 真中:「結構過ぎちゃってますよ、お電話入れたほうがいいかな」
GM:あまり時間に遅れるタイプの人間には見えない。
鳴海 真中:UGNエージェントの連絡先は全員把握している。電話番号を入れて電話をかけてみますが出ますか?
浅月透:「………だな」スマホを見ます。連絡先がごちゃついている。手間取ってる。もたもた
GM:K市支部でも、本人でもかけられます。
GM:本人の場合、圏外ですね。
鳴海 真中:「……本人はつながらない、と」続いてK市支部にもかけます
エージェント:『はい。こちらK市支部です』
鳴海 真中:「お疲れ様です、日本支部の鳴海です。《散下月》さんは本日そちらにいらっしゃりますでしょうか?」
エージェント:『《散下月》ですか? そんなはずは。彼なら朝一に現場に向かったはずですが』
鳴海 真中:「任務の集合時間になったのですが姿が見えなくて……」
鳴海 真中:「朝一、なるほど。本人の連絡が圏外だったことも併せると」
鳴海 真中:「先行して内部で何かあった可能性が高いですね」
エージェント:『も、申し訳ありません……見かけほど独断専行をするタイプではないのですが』
鳴海 真中:「わかりました、ありがとうございます。一応支部の方からも定期的に《散下月》さんに連絡を入れてもらうことは可能でしょうか?」
エージェント:『内部に異常を見つけて、それを追って、ということかもしれません』
エージェント:『そうさせていただきます。ご迷惑をおかけします』
鳴海 真中:「それと、私たちが明日の21時までに戻らなかった場合、特別情報対策室の泉に連絡を入れていただいても?」
鳴海 真中:「我々が二の舞にならないとも限らないので」
浅月透:報連相がきちんとしてるなあ
エージェント:『か、かしこまりました。……ですが、お二人とも外部の方です。もし問題と思われるのなら、この時点で退いて頂いても構いません……』
エージェント:『こちらからも圏外ですので、端末が壊れているか、内部で通信妨害がある可能性があります』
鳴海 真中:「わかりました、撤退についてですが、追加で人員を投入するにしても情報が無いのでなるだけ情報は持ち帰るつもりでいます」
浅月透:しかたないね……
鳴海 真中:「了解です、繋がったらSMSなりなんなりに残していただければ」
鳴海 真中:「では一度失礼しますね」
エージェント:『ありがとうございます。ご迷惑おかけします』
鳴海 真中:通話を切る
鳴海 真中:「さて」
浅月透:「はい」
鳴海 真中:一応ガサガサ鞄を漁り、通信強化用にアンテナを近くに立て
鳴海 真中:バッテリーをつないで起動させておく。気休めだが
鳴海 真中:バッテリーは最大でも明日の21時までは持つ、刻限をここにした理由はこれだ。
鳴海 真中:「糸とかあれば結び付けていくんですけど……浅月さん持ってます?」
浅月透:「え、えーと」
浅月透:「これとか?」レネゲイド技術が使われている強化ワイヤーを取り出す。UGN製のものではない。
浅月透:「………」
鳴海 真中:「あ、じゃあそれ入り口どこかに結んでおいてください。切れたりなくなったりしたらそれはそれで証拠になるので」
浅月透:「はい」むすび、むすび
鳴海 真中:更に鞄を漁り底にあったボイスレコーダーを起動
鳴海 真中:「あ、あー、こちら『玉串料』、現在はOOOO年6月X日時刻はXX:XX、今から『嘘つき』と一緒にコーラルパレスに突入します」
鳴海 真中:と言ってポケットにレコーダーを入れる
鳴海 真中:「ここにレコーダー入れておくので、私に何かあったらこれだけでも引き抜いて入り口に放り投げてください」
浅月透:「まって?」
鳴海 真中:「?」
鳴海 真中:「お手洗いとか準備が要るなら待ちますが……食料は一応買い込んでますよ」
浅月透:「いや……あの……」そう言う状況で置いていくとか。そもそも残るなら自分のほうとか。口の中でもごもごさせて。
浅月透:「────いや、いくか」
鳴海 真中:「はい」
浅月透:せめて、そう言うことが起こらないよう自分の仕事をしよう。
浅月透:少女を横目に、静かに決意した。
GM:あなたたちは意を決して、水族館「コーラルパレス」へと入る。
GM:そして――――――――――――
GM:シーン終了。ロイスが可能です。
鳴海 真中:浅月さんは初期ロイスなので保留で
浅月透:えー鳴海さんは持っているのでろいほ!
GM:イチャりやがって
GM:では次のシーン!
ミドル2
GM:ミドル2
GM:せっかくなので登場侵蝕を振ってください
鳴海 真中:鳴海真中のMPを1D10(→9)増加(43→52)
浅月透:42+1d10
DoubleCross:(42+1D10)→42+6[6]→48
GM:僅かに、視界が歪んだ。そして、声が聞こえた。
アナウンス:『みなさん、こんにちは!ようこそ、水族館『コーラルパレス』へ!』
アナウンス:『ここは、キラキラ輝く海の仲間たちが集まる夢の楽園です。色とりどりのお魚、ふわふわのクラゲ、元気なイルカたちが、みなさんの笑顔を待っています!』
アナウンス:『館内はゆっくり歩いて、安全に楽しんでくださいね。さあ、素敵な海の冒険を始めましょう!素晴らしい思い出を、たっぷり作ってください!』
GM:あなたたちは、青い光に照らされた、魚の溢れる大水槽の前に立っている。
GM:チケット売り場も、入口の看板も、何も見ていない。通っていない。
GM:それは水族館一階の中央、回遊魚エリアであることが、鳴海真中は分かるだろう。
鳴海 真中:「館内突入時、軽度のめまい。現在地点は1階中央大水槽前。ワープしていますね」
浅月透:「え、んんん?」
浅月透:左右を見渡す。魚だ。
鳴海 真中:「館内の様子は稼働している普通の水族館と変化ありません」
鳴海 真中:「浅月さん、糸は手元にありますか?」
浅月透:「……え、えーと」見ます
GM:その入口の柱に縛った強化ワイヤーですが、先端の結び目ごと、まるまる床に落ちています。
鳴海 真中:写真を撮っておきます
GM:浅月さんの服の一部と見なされたような感じ。
浅月透:あちゃ~~という顔
鳴海 真中:「結び目ごと床に落ちてますね」
鳴海 真中:「入口にひっかけたはずですが、外れてるとみていいでしょう」
浅月透:「出口とかは……」
浅月透:地図とかを探す
鳴海 真中:「探してみましょうか、とりあえず順路の逆を辿れば入り口につくのであのドアからが一番近いですね」
GM:大水槽フロアから繋がる部屋はいくつかある。
GM:だが、扉に近づくと分かるが、元々の構造とは別の繋がり方をしている。
浅月透:「どうだ?」
鳴海 真中:「…配置が変わってます」
鳴海 真中:「《ラビリンス》等の仕業でしょうか」
鳴海 真中:スマホのメモ帳に変更後の配置を簡単にスケッチしておく
GM:フロア図はこの部屋にはない。壁には、マスコットの人魚、こーらるちゃんによる水槽の魚の解説がある。
浅月透:「うーん」「何が原因で起きてるのかもまだわかんないしな……」
浅月透:ぽけーっと水槽を眺める
GM:水槽の中で、色とりどりの魚は泳いでいる。
鳴海 真中:「とりあえずこの部屋を探索しましょうか」と言って解説文を読みます
GM:不意に、部屋の中を、影が横切る。
人影:『お母さん、早く早くー!』『もう、走ったら怪我するわよ……』 シルエットのような人影が、ごく近くにだけ聞こえる声で喋り、通り過ぎていく。
浅月透:「この魚も、幻覚なのか何なのか」
浅月透:「!!??」
人影:それは、部屋の隅に向かってゆき、すうと消える。
浅月透:たったった。っと、鳴海さんのそばまで移動。
鳴海 真中:「どうかされました?」
人影:録画状態の悪い映像のようだった。よく見れば、泳ぐ魚も不意にシルエットがかすれたりしている。
浅月透:「や、こ……声!声よ」
鳴海 真中:「声…アナウンスとかではなくですか?」
浅月透:「いや、人影が……うーん?」
GM:部屋をじっと観察していると、『客』らしきその影は結構みえます。
鳴海 真中:「人影」周囲を見て客らしき影を認め
GM:出現と消失が繰り返されているので、なかなかはっきりとは見えない。
鳴海 真中:「水族館の客と思わしき影が見えますね。浅月さんの証言を合わせると声もするそうです」
浅月透:「もしかして……”再現”か?」ぽつりと
鳴海 真中:「再現?」
浅月透:「鳴海」囁くように
鳴海 真中:「はい」
浅月透:「なんか、見覚えのある人影とか魚とかいないか」
鳴海 真中:辺りを見回してみます。と言っても魚は図鑑で見たことあるものばかりですが。人影に知った顔はいますか?
GM:そうですね。では部屋の隅に、警備員らしき影がいます。出現と消失をしているが、同じ位置に立っているので分かりやすい。
GM:恰幅の良い男のシルエットだ。遠足のとき、ヤンチャしていたクラスメイトが転びそうになったところを、助けていた。
鳴海 真中:「あら、あの警備員は知った顔ですね」
鳴海 真中:「遠足の日も出勤していました」
浅月透:「なるほど」
浅月透:「だったら、管内の人影も魚も実際にこの水族館に存在した物を再現してる……って考えるべきかな」
浅月透:「意図はまだわからないけど」
鳴海 真中:「ふむ」
鳴海 真中:「となると、再現を行っている側は少なくとも当時の水族館を知っているということですかね」
浅月透:「かもな」
浅月透:「……遠足ってことは、何年前くらい?」
鳴海 真中:「10年前から7年前までですね」
浅月透:少なくとも館内に賑わいが感じられる頃か
鳴海 真中:「小3のころには私地元支部に引き取られててあんまり学校行ってなかったので」
GM:閉鎖と倒産は5年ほど前です。
浅月透:資料をみて
浅月透:「閉鎖は五年前は……え?まじ、この水族館名前くらいは学生の頃聞いたことあったのに……」
浅月透:「いや、10~7年前って……ああ、うん、なんでもないわ」
鳴海 真中:「ああー、そのころには日本支部にもう来ていたので直接は見てないですね」
鳴海 真中:「?」
浅月透:自分の時間間隔がバグってる10年前でギリ高校生だ
浅月透:最近じゃないよ~~
鳴海 真中:「とりあえず今ある情報はこれくらいですか……人影に話しかけてみます?」
浅月透:「え、ああ。そうだな」
鳴海 真中:「では」と言ってスマホとボイスレコーダーを浅月さんに渡し
鳴海 真中:「すみません」と警備員に話しかけてみる
浅月透:「ちょ」急だよ~~自分もそばに行くのに……
警備員:『――――』 一瞬、反応はないように見えたが。『ああ、何かな、お嬢ちゃん?』
鳴海 真中:反応はあった。なら当たり障りなく質問をしてみるか
警備員:見ている視線は、鳴海さんの身長より随分と低い。
鳴海 真中:「お手洗いの場所ってわかりますか?」
浅月透:「……」(お嬢ちゃん?)
警備員:『ああ、このフロアにはないね。岩場の生き物ふれあいコーナーへの廊下の途中にあるよ』
鳴海 真中:「そうですか、ふれあいコーナーは……あっち、ですかね?」
警備員:鳴海さんの胸~首あたりを見ている。そこに顔があるかのように。
鳴海 真中:一応本来の正しい順路上にあるふれあいコーナーの場所を指さす
浅月透:「………」怪訝そうな顔
警備員:『そうだ。よく覚えているね。えらいえらい』
警備員:『扉の繋がりは出鱈目になっているけれど、耐えず変わり続けているわけじゃない』
鳴海 真中:「!?」
鳴海 真中:驚いた顔を隠せなかった
警備員:『全ての部屋を巡ることは可能だ。出口もどこかにある。ひょっとしたらそれは、床の非常口からかもしれないけどね』
浅月透:鳴海さんの前に出る。
警備員:浅月さんの割り込みには気付かない。見えていないようだった。
浅月透:後ろ腕で少女を背中に隠しつつ。モデルガンを構える。
警備員:『ただ。もしも意図的に隠されている場所があるなら――』
浅月透:「おい、アンタ────」
アナウンス:き ん
アナウンス:アナウンスが入る。
アナウンス:『みなさん、こんにちは!ようこそ、水族館『コーラルパレス』へ!』掠れた幻聴ではない。アナウンスはしっかり聞こえる。
アナウンス:『ここは、キラキラ輝く海の仲間たちが集まる夢の楽園です』
アナウンス:『いま、コーラルパレスは復興のための活動をしています。足りないものは沢山あります。お魚、お客さん、スタッフ、それに、マスコットのコーラルちゃん』
警備員:『ああ、これはだめだ。お嬢ちゃん、貴方の姿は見える。ここから離れ――』
警備員:その姿がぶん、と掠れて消える。
鳴海 真中:「おじさん!?」
アナウンス:『募集のお知らせです。コーラルパレスは、働いてくれる人を絶賛募集中です。魚が好きな人。生き物のお世話に興味がある人。このコーラルパレスを覚えている人。――覚えている人』
アナウンス:『覚えている人。――覚えている人が必要です。取り戻すために』
GM:ギ ギギギッ
GM:監視カメラが作動する音がする。それらは一斉に、鳴海真中の姿を捉えている。
アナウンス:『魚が好きな人。生き物のお世話に興味がある人。コーラルパレスは足りないものを集めています。もう一度復興します。お魚、お客さん、スタッフ、――それに、マスコットのコーラルちゃん。』
アナウンス:『どうか、みなさん』
アナウンス:『コーラルパレスになってください』
GM:……部屋を呑み込むような、まばゆい光が放たれる。錆び付いた柱、美しい魚。
GM:嬉しそうに写真を撮る人々、去って行く人々、閉鎖を悲しむスタッフ、餌やりをするスタッフ。
GM:様々な情景が、白くなった視界の代わりに、直接感じ取れる。
鳴海 真中:狙いが自分なのはわかった、カメラの視線を切ろうと辺りを見るが、逃げ場はない
浅月 透:少女の耳に
浅月 透:────銃声が、聞こえる。
浅月 透:それは鳴海真中のレネゲイドに響き、伝わる。
浅月 透:「────聞こえるか」
鳴海 真中:「――っはい!」
浅月 透:「悪い、逃げろって言われたのは────忘れてた」
鳴海 真中:「~~~~~」
鳴海 真中:「あんたって人はあ……!」
鳴海 真中:か、勘違いしちゃうでしょそれ言われると!
浅月 透:「ごめんて……いや、そもそも普通逃げないから」
GM:光の中で、鳴海真中の、何かに引っ張られるような感覚が、その銃声を境に中途で止まる。
浅月 透:「無事?」
GM:結論から言えば、それは快心の一手ではあった。
GM:光が収まっていく。鳴海真中は、急に足の力がなくなり、体が床に倒れ込むような感覚を覚える。
浅月 透:「……?」前髪に隠れた宵色の瞳が少女を覗き込む。わかりやすいほどの不安と焦り。
鳴海 真中:「意識レベルは無事……ってうわあ!」
GM:浅月さんは少女に近づいている。近づきすぎている。
GM:もしも一歩離れてみると、状況が分かるはずだ。
浅月 透:「え、ちょ……どうした?」
鳴海 真中:飛びのこうと、した
鳴海 真中:いつも覚えているように体を起こそうとするが、びちん、と後ろが跳ねるような感覚だけで終わってしまった。
鳴海 真中:「……」
GM:少女の、腰から足から下がない。
浅月 透:「……………」
GM:『変異』の際に弾かれたのだろう。靴と靴下が、床に転がっていて。
浅月 透:「は、え」
GM:かわりに、魚の下半身がある。
浅月 透:「~~~~~~~~~~~!!??」
アナウンス:(『コーラルパレスは足りないものを集めています』)
アナウンス:(『お魚、お客さん、スタッフ、それに』)
鳴海 真中:どうにかこうにか起きようとするも、白青に光る魚の尾がびちびち跳ねるだけだ
アナウンス:(『マスコットのコーラルちゃん』)
GM:背後で、ポップな字体で回遊魚の解説をしている人魚のキャラと、そっくりであった。
浅月 透:「か」
浅月 透:「勘弁してくれ……」
鳴海 真中:びたん、と不満そうに床が叩かれる。素材はなんだかよさげなのに陸にうちあげられたトドみたいになっている。
鳴海 真中:「異常アリです、動けません……」
警備員:『そこの子供たち、走るんじゃないぞー』
警備員:警備員が現れては消える。もう、鳴海のことは目に入っていないようだった。
GM:少し変則的ですが、ここから二人転の通常ルールに移行します。
GM:侵蝕は80%固定。指定の条件を達成した後、FS判定に続きます。
GM:ではですね……。まずは浅月さん、《調達》で振って貰えますか?
浅月 透:はーい
浅月 透:6dx10+2
DoubleCross:(6DX10+2)→7[1,1,1,2,3,7]+2→9
GM:そこそこですね。
GM:では浅月さんは必要に応じて運搬用の台車が手に入れられます。人一人乗せる強度はあるが、使い古されていてちょっとガタガタする。
浅月 透:ヨシ!
GM:十数分後。君たちは当初の混乱からどうにか立ち直り、現状を改めて見つめ返していた。
GM:とはいえ、状況自体は変わっていない。水族館の、鳴海真中への反応こそ収まったものの……
GM:彼女の体の異変は、変わらないままであった。
浅月 透:「……移動手段が必要だな」
鳴海 真中:「ですね」びちびち
鳴海 真中:どうにか一人で動こうとはしているみたいだが、無理がある。
浅月 透:「感覚はあんの?」
鳴海 真中:「ありますね、適温が違うのかちょっと暑いかも」
浅月 透:「まあ内臓とか影響がなさそうでよかった……か?」
浅月 透:うーん。とうなってから
鳴海 真中:「そうですね、鰓呼吸しろと言われたら惨事でした」
浅月 透:「ちょっと待ってて」
浅月 透:とことことこ
浅月 透:とことことこ
浅月 透:戻ってくる。
浅月 透:「見ろ鳴海、台車だ」台車を転がしながら
鳴海 真中:「おお」
浅月 透:「これで移動が……」
鳴海 真中:乗ろうと足を動かすが、ぶおんぶおん尾が動くだけだ
浅月 透:(あれ、これ乗れない???)
鳴海 真中:「……乗るまでが大変ですねこれ…」
浅月 透:「…………………」
鳴海 真中:はいずるように上がるが、筋力がそこまで無いのでべしゃん、と落ちる
浅月 透:「………………うん」目を瞑り、開く。背中に汗が。
浅月 透:「鳴海」
鳴海 真中:「はい」
鳴海 真中:地べたに這ってダイイングメッセージ残している死体みたいになっている
浅月 透:「尾びれだから、判定は緩めてくれ────!」
鳴海 真中:「えっあっきゃああああ!?」
浅月 透:尾びれの関節と、背中に腕を伸ばし
浅月 透:抱える。
鳴海 真中:えっちょっ
浅月 透:冷静になるな。尾びれだから!
鳴海 真中:近い。抱えられている。
浅月 透:できるだけ背中の方の腕に感覚は通さない。
鳴海 真中:そればかりが脳を占拠していてそれ以外何も考えられない
浅月 透:気持ね!
浅月 透:相手の思考がフリーズしている隙に台車まで駆け寄り、ゆっくりと下ろす。
浅月 透:「………」
浅月 透:「いかがでしょう……?」
鳴海 真中:がたん、台車に自分が乗る音でようやく正気に戻った。
鳴海 真中:「……」
鳴海 真中:「……~~~~~~~~~…」
鳴海 真中:顔を真っ赤にしてあっちを向いたりこっちを向いたりして
浅月 透:「嫌だって、他に方法ないじゃんよ~~~~!」
鳴海 真中:「……卸市場に連れていかれる魚みたいですね?」
浅月 透:「横か、前か、縦だぞ!」
鳴海 真中:「余計なことを~~~~~~言わないでください~~~~~~~!!!!!」
浅月 透:「まだ横……いや、ごめんこれはハラスメントだわ」
鳴海 真中:「なるだけこっちも思い出さないようにしているんです~~~~~~!」
浅月 透:「ごめんね!今日一の声ださせちゃってるね!!」
浅月 透:変な汗が出まくってるので、自分も考えないこととする。
鳴海 真中:「あああああああああ」気遣いが、逆に、辛い!
浅月 透:「鳴海さ~~~ん!調査しましょう!!」
鳴海 真中:「しまあす~~~!運んでください~~~~~!!!!」
浅月 透:「は~~~い!しゅぱつしま~~~~す!!」
浅月 透:そうして勢いよく……は危険なので、テンションとは裏腹にゆっくり進み始める。
GM:他に誰も居ないアクアリウムで、ガラガラガラガラと音を立てて台車が進む。
GM:今日の客入りは、男がひとりと、人魚がひとり。
浅月 透:「揺れ、大丈夫か?」
鳴海 真中:「酔ったりはしてません」
浅月 透:「ん」
浅月 透:心配しつつ周囲を観察していると
鳴海 真中:尾はすべてを諦めたのかぐんにゃりとしている
浅月 透:タイヤに引きずり込まれないか怖い……持っちゃダメか?
鳴海 真中:ぶうんとしますよ、流石に
GM:全てを諦めて床を見つめている鳴海さんの視界に、ふと異質なものが見える。
鳴海 真中:「ん」
GM:休憩用の椅子の下の隙間に、真新しいメモ用紙のようなものが挟まっている。
鳴海 真中:「すみません、一旦台車止めてもらっていいですか」
浅月 透:「あい」
鳴海 真中:止めてもらった台車から身を乗り出して手を伸ばしてなんとかメモを取れないかぱたぱたさせてみる
鳴海 真中:取れますか
GM:もしかしたら台車から落ちるかもしれませんが、取れます。
鳴海 真中:「ぎゃんっ」べしゃ、と崩れ落ちつつもメモは取れた
GM:それは魚や人影による、水族館の幻覚ではない。荒い筆致のメモ帳の一部が、強い力で引き裂かれたようだった。
浅月 透:「おおう」
鳴海 真中:「すみません手かしてください、引っ張ってほしい…」
鳴海 真中:ぷらぷら、と手を上げてメモ帳もひらひらさせる
浅月 透:「はあい」ひょい
浅月 透:もう持つね。抱えるよ。下手なことするよりいいだろ。
GM:あなたたち二人は、その文字から明確にレネゲイドの気配を感じます。
浅月 透:「ん…?」
鳴海 真中:「大事そうなので取りました」
鳴海 真中:「知覚あんまり得意じゃないんですけど少なくともレネゲイドは絡んでますよね?」
浅月 透:「だなあ……内容は」見る
GM:一見は走り書きというか、落書きのように見える。とても文章として体を為しているようには見えないが……
GM:判定を行なってください。《RC》か《交渉》か《情報:UGN》。目標値は10。
浅月 透:いいとこ見せちゃいますか
鳴海 真中:がんばれー
浅月 透:交渉で!
浅月 透:6dx10+5
DoubleCross:(6DX10+5)→9[1,2,2,4,5,9]+5→14
GM:お見事!
GM:ではまずは手記の正体から分かります。
GM:
『アンカーズの手記』
この建物に入ってきていた何者かの手記。
一見は落書きに見えるが、オーヴァードにのみ読める字(イージーエフェクト『マーキング』)で書かれたメモである。判定をクリアすることで読解可能。
引き裂かれたように破壊されており、断片的な紙片として水族館各所に転がっている。
GM:同時に、プライズ判定が解禁されます。今回の成功も込みです
GM:
【アンカーズの手記を追い、水族館の秘密を探れ】
使用技能:≪情報:UGN≫≪交渉≫
難易度:6
最大達成値:9点
目標進行値:4
現在1/4
・財産点使用可能。
・特殊ルールとして、片方が支援判定を行い、成功した場合、もう片方の達成値を+3し、最大達成値を10とする。使用技能は≪意志≫とする。
GM:立て続けに、ひとつめの手記の内容が解放されるでしょう。
GM:
『アンカーズの手記①』
……やはりだ。今のコーラルパレスはRB化している。
噂を聞いてやってきた当時の常連客が、建物に取り込まれたのを見た。今は洗脳され、サンゴ礁フロアの案内スタッフをさせられている。
館内に入ったコーラルパレスに近しい人間を取り込む。その記憶から営業当時の情報を収集し、完全な当時の姿を取り戻すのが目的か。典型的な地縛RBだ。
俺は運が良い。ここで、アンカーズとしての功績を確かなものにする。
鳴海 真中:では早速判定を振ってみようと思います
GM:あ、すいません、次のシーンからです
鳴海 真中:おっと
鳴海 真中:了解です
GM:今回のシーンで分かった手記の情報はこれだけ!
GM:というわけで共有をどうぞ。
浅月 透:「やっぱ、レネゲイドビーイング化してるのか」
鳴海 真中:「アンカーズ…錨をモチーフにしたエージェントさんなら何人かいますがこの名前の人は聞いたことないですね」
鳴海 真中:「港湾を主体としたセルでも今のところ登録は無かったです」
浅月 透:「アンカーズ……書き方的に集団か?」
浅月 透:「功績ねえ」
鳴海 真中:「そんなに欲しいものですかね、功績」
浅月 透:「ノーコメント……目的によりけりだろ」
鳴海 真中:「まあそうですね」
鳴海 真中:ぼてん、と台車によりかかる
浅月 透:「まあ、これもメモの一部だろうし」「まだ何とも言えないな」
浅月 透:「その尾びれもどうにかしないとだしな……」
鳴海 真中:「ですね、とりあえず1指針としてこのメモを集めてみましょうか」
鳴海 真中:「あ……そうだった」
浅月 透:「このまま帰したら、俺めっちゃ怒られそう……」
浅月 透:「ん?」
鳴海 真中:「いやあ、解決方法が不透明だし後回しでいっかと思ってただけです」
浅月 透:「いやいやいや!」
浅月 透:「お前なあ~~」
浅月 透:「これどうにかしないと、帰り道エライことになるからね???」
浅月 透:「台車も消えたりなんかしたら……わかるだろ!?」
鳴海 真中:「ああー…」危機感の無い声色
浅月 透:「危機感を、もて」
浅月 透:「まあ、お前が抱えられて帰っても構わないならいいけどさあ……」
鳴海 真中:「……」思い出す
鳴海 真中:「……ちょっとだけ……館内での解決法を考える方針で……」
浅月 透:「了解」
鳴海 真中:(一二もなく承諾したなこの人)
GM:再現されたアクアリウムから、在りし日と変わらない光が差し込む。
GM:鳴海真中のまわりには、キラキラと反射光が差し込んでいた。
ミドル3
GM:シーン終了! 続いてミドル3!
GM:お二人の登場侵蝕は80固定です。まずはプライズ判定から振ってもらいましょうか。
GM:
【アンカーズの手記を追い、水族館の秘密を探れ】
使用技能:≪情報:UGN≫≪交渉≫
難易度:6
最大達成値:9点
目標進行値:4
現在1/4
・財産点使用可能。
・片方が支援判定を行い、成功した場合、もう片方の達成値を+3し、最大達成値を10とする。使用技能は≪意志≫とする。
浅月 透:じゃあ支援判定してみようかな
浅月 透:意志!このPCから最も遠い言葉!
浅月 透:俺は暴走型だけど思い出の一品を持ってます!
浅月 透:5dx10+1
DoubleCross:(5DX10+1)→10[4,7,8,9,10]+6[6]+1→17
GM:すご
GM:鳴海さんを支援したいという意志があふれ出している
浅月 透:うお~台車ぱわー
鳴海 真中:では支援されたので判定しまーす
鳴海 真中:一応生き字引使って
鳴海 真中:鳴海真中の侵蝕率を1D10(→5)増加(80→85)
鳴海 真中:ミス、81
鳴海 真中:9dx+4+3 情報:UGN→意志
DoubleCross:(9DX10+7)→9[2,2,3,4,7,7,9,9,9]+7→16
鳴海 真中:ヨシ
GM:プライズ2ポイント追加 3/4
GM:では軽いイベントの後に、ふたつめの手記が手に入ります。
GM:.
GM:.
GM:【コーラルパレス西側 サンゴ礁エリア】
GM:本来の繋がりをまるで無視した、浅瀬の水槽にサンゴ礁が広がっている。
GM:再現された生物は、蟹や貝。ヒトデ。カサゴやウツボなどが見える。
GM:他のフロアよりも、設備が綺麗に掃除されている。
GM:また、先ほどの手記にあった人物であろうか、生身の人間の案内スタッフがいる。
スタッフ:「ようこそお越しくださいました! サンゴ礁エリアでは、温暖な海の浅瀬にいる生物を楽しむことができます」
スタッフ:「毒や、鋭い牙を持つ危険な生物もおります。お子様をお連れの方は、くれぐれも水の中に手を伸ばさないよう――」
浅月 透:「メモによると……あのスタッフも洗脳されてここにいるみたいだけど」
浅月 透:ガラガラと台車を押しながら。
鳴海 真中:「見たことは無いですね、一般人でしょう」
GM:鳴海さんはそのスタッフに近づくと、奇妙な感覚を覚えるかもしれない。
鳴海 真中:「一応会話は試みてみますか?」と言って体だけ台車から乗り出す
浅月 透:「ちょ……わかった」「ゆっくり進むから」
鳴海 真中:「あ……すみません」台車に乗せられている事実を思い出して静かになる
スタッフ:「あ!」鳴海さんに気付く。明らかに作られた、平坦な声。「マスコットのコーラルちゃんが来てくれたみたいですね!」
スタッフ:「みんな、手を振って迎えてあげてね!」
鳴海 真中:「え”」
浅月 透:「あー」
GM:そう言われると、鳴海真中は、相手が「同僚」であったような気がしてくる。
GM:完全に水族館に呑まれていたら、自身もこうなっている。
浅月 透:「コーラルちゃん、台車に直置きってことないだろ……」
鳴海 真中:「あ、あ、あ」
鳴海 真中:もしも、私が
鳴海 真中:水族館という空間で排斥されることなく生きていたら、どういう人生であったのか
鳴海 真中:無いもしもを詰め込まれて頭がおかしくなりそうだ
浅月 透:「───み、鳴海」
鳴海 真中:ここは一般の人が来る場所だ、私は何度もそこから排斥された、だけど、でも
浅月 透:「鳴海っ!」
浅月 透:様子を察して、声を掛ける。
鳴海 真中:「う、あ」焦点のあってない目で声の方を向く
浅月 透:「おい……大丈夫か?」
鳴海 真中:「あ……はい…なんとか…」
鳴海 真中:頭を振る、存在しないはずの記憶は、なくなってくれない。
浅月 透:「OK、鳴海真中」
スタッフ:「コーラルちゃんとの記念写真コーナーは、午前と午後――」
浅月 透:「落ち着け、お前はUGNチルドレンでマスコットキャラのコーラルちゃんじゃない」
スタッフ:「希望者が多くなりますので、時間には余裕をもって――――」キンキンと反響する。
スタッフ:がぁんがぁんと、アイデンティティを揺り動かす。
鳴海 真中:「うう…」蹲る、声が二重に聞こえ、重要度の判別が効かない
浅月 透:「俺が、覚えている」
鳴海 真中:「あ、う」
鳴海 真中:「こ、こえ…」
鳴海 真中:絞りだすように
浅月 透:「!」
スタッフ:「コーラルちゃんは、サンゴ礁で育った人魚姫です!」
浅月 透:即座にスタッフに向けてモデルガンを絡撃ち。
スタッフ:「みんなに、色々なお魚のことを教えて――」
浅月 透:「いや」
浅月 透:精神干渉。スタッフは自分がしゃべり続けていると思い込むが実際の声は途切れる。
浅月 透:「事務処理完璧のしごできチルドレンだよ」
スタッフ:「コーラルちゃんは、子ども達が大好き! たくさん質問、し、…………」
スタッフ:声が切れる。そのまま、虚ろな目で口パクをし続けている。
鳴海 真中:「がっ…げほっげほっ」
鳴海 真中:ぶちん、と糸が切れたように倒れえずく
浅月 透:「ちょ……おい」
浅月 透:「くそ……やっぱり、あんまり時間かけられねぇな」
鳴海 真中:「あう……」
鳴海 真中:いつもなら事務的なコメントの一つや二つ届いているのだが、今はうわごとしか出ない
スタッフ:洗脳からの解放までは難しいだろう。過重催眠になり、人間本体が耐えられない。
浅月 透:多少休めそうなところに移動させる。
スタッフ:ぱらり、と。
スタッフ:その服の合間にひっかかっていた切れ端が落ちる。
スタッフ:真新しい字。アンカーズの手記だ。
浅月 透:影を伸ばして回収。ひとまずベンチ付近に。
浅月 透:「飲むか?」荷物からペットボトルを取り出して
鳴海 真中:「いただきます…」
鳴海 真中:貰って飲んで…そういえば、残った一個はよくわからない炭酸だったから…
鳴海 真中:「あっびびびびび」
浅月 透:「あれぇ!?」
鳴海 真中:お茶や水と思い込んで炭酸水を飲んだ時と同じような反応になってしまった。
鳴海 真中:「げほっすみませんちょっと心の準備ができてなかっただけです……」
鳴海 真中:ギリギリ吹き出さずに済んだ、ペットボトルのキャップを閉める。
浅月 透:「ああ」
浅月 透:「いちおう、メモは回収したけど」
浅月 透:「大丈夫か?」不安げな瞳が君を捉える。
鳴海 真中:「あ、みま…」と言ったところで目があう
鳴海 真中:まつ毛長
鳴海 真中:「見ます」
GM:メモは前よりも損傷がひどい。ところどころ歯抜けがあるが、なんとか解読できた。
GM:
『アンカーズの手記②』
失敗した。俺が××様から授かった××では、直接接触しなければRBを××することはできない。本体に接触しようと××たが、奴め館内構造を組××えて隠れやがった!
館に捕らわれなければ、出入りは問題なくできる。拉致してきた、元警備員だった男を投げ込んだ。今は深海魚展の特別マスコットアンコウくんだ。
そいつの記憶で、館の再現度はまた上がったものの、本体への道は未だに閉ざされたままだ。
RBとしての能力が上が××いるのは献××××として良い××が、面倒なことになってしまった。
GM:焦りと苛立ちが感じられる
鳴海 真中:「ふむふむなるほど」
鳴海 真中:「これアンカーズの何某かは……この奥にいるRBの捕獲を考えていたって……ことですかね……?」
鳴海 真中:起き抜けのように思考が明晰でないのか話がゆっくりだ
浅月 透:「かな、こいつも上からの命令で動いていたっぽいが」
浅月 透:「で、上手くはいかなかったと」
鳴海 真中:「ついでに明確に被害者1人追加です」
浅月 透:「アンコウかあ……」ビジュアルが怖そうだなあ
鳴海 真中:「ともかく奥のRBをどうするにしても、一定の戦力がいりそ……」
鳴海 真中:「わ」
鳴海 真中:ふら、と崩れる
浅月 透:「とりあえず、その深海魚展に向かうか」「まだ休むか?」
浅月 透:「ちょっ」
浅月 透:肩を抑える。
鳴海 真中:「いえ…なくなるわけじゃないので構わず先に…」
鳴海 真中:「……」
浅月 透:「あのなあ」
浅月 透:「俺を一人にして思うように調査が進むと思ってんのか」
浅月 透:「最悪、なんやかんや迷走してからここに戻ってくるが?」
鳴海 真中:「それは…良くないですね…」
浅月 透:「その時お前が冷ややかな視線を向けないと誓うなら行ってもいいけど」
浅月 透:「よくないよ」
浅月 透:「まあ、このままこのちゃっちい台車で運ぶのもしんどそうだけどな」
鳴海 真中:「……やっぱりもう少し休んでいいですか」
浅月 透:「ああ」
浅月 透:「落ち着くまで、待つから」
GM:.
GM:.
GM:シーン終了。
ミドル4
GM:ミドル4
GM:先に判定からやりましょうか
鳴海 真中:はあい
GM:
【アンカーズの手記を追い、水族館の秘密を探れ】
使用技能:≪情報:UGN≫ ≪交渉≫
難易度:6
最大達成値:9点
目標進行値:4
現在3/4
・財産点使用可能。
・特殊ルールとして、片方が支援判定を行い、成功した場合、もう片方の達成値を+3し、最大達成値を10とする。使用技能は≪意志≫とする。
浅月 透:今度は俺がメインで判定しようかな
鳴海 真中:はあい
鳴海 真中:じゃあ先に援護します
鳴海 真中:8dx+4 意志
DoubleCross:(8DX10+4)→8[1,3,5,7,7,7,8,8]+4→12
GM:よく回すな君ら
浅月 透:交渉
浅月 透:6dx10+4+1+3
DoubleCross:(6DX10+8)→10[1,2,5,5,8,10]+3[3]+8→21
GM:交渉マスター浅月
GM:では
GM:【コーラルパレス フロア間 館内通路】
GM:サンゴ礁フロアから深海魚フロアへ。その繋がりなら、本来ありえないはずだが
GM:地下のパイプ式通路で、魚が泳ぐ姿を下から見上げることができる。
浅月 透:「へぇ~」
浅月 透:見上げてます
GM:施設のRBによって再現されたものだが、あるいは来場者の記憶も取り込んでいるのかもしれない。思った以上に綺麗だ。
浅月 透:「なんか、ペンギンが通るとこもあったよな」
鳴海 真中:「ありましたね、お昼にえさやりタイムを行うことで集客を狙っていたみたいです」
鳴海 真中:「あ、鯵」
浅月 透:「水族館って、メインはどこなんだろう」
浅月 透:「ピンポイントに鰺?」
鳴海 真中:「いや、なんか。普段なら手放しで食べたいなーで済んだんですけど」
鳴海 真中:「今だと複雑ですね」
浅月 透:「ああ……」
浅月 透:「……水槽の魚見ておいしそ~♪ってなるタイプ?」
鳴海 真中:「割と。」
鳴海 真中:「あ、でも魚は選びますよ」
鳴海 真中:「さすがにミノカサゴとかは毒あるの知ってるし」
浅月 透:「いやそこまで食いしん坊ちゃんだとは思ってないけど」
鳴海 真中:「ジンベエザメを見てフカヒレは思いつかないです」
鳴海 真中:「そうでしたか」
鳴海 真中:「……」
浅月 透:「……終わったら飯行く?」おなか減ってきたのかな
鳴海 真中:「それは行きたいです、じゃなくて」
浅月 透:「?」
鳴海 真中:「……もし、私が」
鳴海 真中:「親に捨てられることもなく、普通に学校に行くことができて、普通にあり得る範囲で就職していたら」
鳴海 真中:「その私は本当に幸せ、なんでしょうかね」
GM:その言葉が放たれた、直後。
GM:ところどころ掠れたような、甲高い子供の声が通路に響いた。
小学生?:『あーーーーーー!』
小学生?:『カンニング女が、また変なのみてるー!』
GM:……過去の幻影。おぼろな男子の指差す先。通路の端、目立たない位置に館内図がある。
GM:施設の全体を必要以上に詳細に描いたものだ。ほとんどの人は、そんなもの目にもくれないが、
GM:ぽつんと、再現された、小さな女の子の人影が、それを見下ろして座り込んでいる。
小学生?:『ここはすいぞくかんなのに! またカンニングするつもりだろ!』
少女の影:『…………』
少女の影:少女の影は動かない。ぶれてばかりで反応をしない。
小学生?:『ままもいってたぞ! きょうかしょのなか、ぜんぶおぼえてるなんてへんだって!』
鳴海 真中:きゅ、と尻尾を丸めて蹲る。
鳴海 真中:いつもの事だ。静かにしていれば、待っていれば、終わる嵐だ。
鳴海 真中:きっと、向こうの少女もそうだろう。
小学生?:責める声は一人ではない。複数の影が通りがかる。『へーんなの、なにかんがえてるかわかんない』『カンニング女がまたへんなのみてる!』
GM:その口の動きまで、開かれた口の、歯についたお弁当の残りまで、寸分違わず思い出せる。
浅月 透:「………」
鳴海 真中:耐えろ、耐えろ、耐えろ、耐えろ。相手にとっても時間は有限だ。
小学生?:『もういいよ、こんなやつ放っておこうぜ』『こんなこまかいの、なんでみてるの?』『へーん』
浅月 透:たぶん、現実においては珍しい光景ではないのだろう。
小学生?:子ども達の声は遠くなり、だんだんと薄れていく。
浅月 透:もしかしたら社会には、こんなことがありふれているのかもしれない。
少女の影:子ども達が去ってから、たっぷりと時間をかけて、少女の影も、起き上がる。
少女の影:どんな顔をしているのか。それは、この水族館には残っていない。
鳴海 真中:ああ、そうだった
鳴海 真中:水族館の、日常の一部になることなんてできない。
鳴海 真中:現実はいつだってそうだ。
浅月 透:自分には、少女の気持ちはわからない。
鳴海 真中:ぎゅ、とまた丸まる、頭に残った言葉を、耐えられるようになるまで
浅月 透:自分が、何を想ったのかも分からない。
浅月 透:しかし、少女がどんな顔をしていたのかは────
浅月 透:気が付いた時、立ち上がった少女の影に向かって駆け出していた。
浅月 透:「!!??」
浅月 透:その、幻影にすぎない幼い少女の手を取り。
浅月 透:「────来いっ」
浅月 透:叫んで、台車まで共に戻ってくる。
鳴海 真中:台車には丸まった人魚が一匹いる。
少女の影:意味があるはずがない。
浅月 透:汗が、汗がすごく出てる。
少女の影:何より、ここにあるのはレネゲイドによって領域に焼き付けられた過去の映像だ。そもそも触れられるはずがない。
浅月 透:「……………よう」
少女の影:『――――?』
少女の影:だが。浅月透の持つ極めて異例なレネゲイドが、それを為した。
浅月 透:「……深海魚を、見よう」
少女の影:手を握られた影の少女が、二人の顔を見ている。
浅月 透:「案内してくれ、この建物詳しくないんだ」
浅月 透:あるいは、今この瞬間。
浅月 透:自分にとって、当たり前の現実の方がどうでもいいと思っているから。
浅月 透:「鳴海も」
鳴海 真中:ぺしん、と尾ひれが動いて返事の代わりになっている。
浅月 透:「来てくれよ……俺だけだと絵的にきついからさ」
鳴海 真中:「……」
鳴海 真中:「…しょうが…ないですね……」
浅月 透:台車を押しながら、影の少女に手を引かれて水槽まで移動する。
鳴海 真中:その間、無言だ。
浅月 透:「………俺は」
少女の影:初めてそれに気付いたように、美しい魚たちの通路を見上げている。
浅月 透:「実は、鳴海のこと全然知らないけどさ」
鳴海 真中:「はい」肯定だ。別に知らなくていいと思っている。
浅月 透:「鳴海が、したいこととか、困ってることとかあれば手を貸すから」
浅月 透:「言ってよ」「期待できないかもだけどさ」
鳴海 真中:「……」
鳴海 真中:「……幸せに、なりたかった。んだと思います」
鳴海 真中:「普通の子供になれて、友達もできて、家に帰ったら笑顔の親がいて」
鳴海 真中:「そうして、それが当たり前のまま、大人になりたかった」
鳴海 真中:「……今は、わかりません」
浅月 透:「……そっか」
浅月 透:「…………………」
浅月 透:「………帰り」
浅月 透:「タクシー使おう、そのままちょっと時間かかるけど俺の知ってる店で夕飯食べよう」
浅月 透:「今日は奢るわ、和食メインで刺身も好きなのだしてくれたはず」
鳴海 真中:「……」どんなに鈍くても、それが私に何かしようとしてくれているというのはわかる
浅月 透:「あとは……いっそ有給貰うか」
鳴海 真中:「……まだ半年経ってないんじゃないですか」
浅月 透:「なんか、行きたいところとかあれば連れてくけど……いや、休みに連れていったらまずい奴か?」
浅月 透:「そこは親友の泉君がなんとか……いや、これ保護者の泉君に怒られるね」
浅月 透:「幸せって」
浅月 透:「俺も、よくわかんないけどさぁ」
浅月 透:「鳴海はまだ、全然なれるだろ」
浅月 透:魚を眺める少女の影を一瞥して。
浅月 透:「君は、すごく、良い子だから」
鳴海 真中:「……」
鳴海 真中:「わたし、いい子?」
少女の影:少女の影が、振り返って鳴海真中を見る。目を見合わせる。
浅月 透:「良い子だよ、偉くて、立派だ」
鳴海 真中:「……そっか」
浅月 透:「命を救われた者もおります」
鳴海 真中:「……そうなんだって」
GM:影の表情が、ふわりと緩んだように見えた。
GM:そして、そのまま。鳴海真中に向けて、何度も頷いた。
GM:足下からノイズになって、これまでの幻影と同じように消えていく。
鳴海 真中:ばいばい、と手を振ってそれを見送る
GM:いつの間にか、深海魚フロアの入口が目の前に来ていた。
鳴海 真中:「…ついちゃいましたね」
浅月 透:「だな」
浅月 透:「なんか出てくるかもしれないし……少し下がってて」
鳴海 真中:「はあい」と言っても台車から無理に動かないくらいだ。
浅月 透:そう言って、台車の前に出て。
浅月 透:銃を構えたまま、扉を蹴り開ける。
GM:.
GM:【コーラルパレス 地下一階 深海魚フロア】
GM:.
GM:薄暗い部屋。静かな音響。読みづらい解説。そして、不気味ながら独特の魅力のある深海魚たち。
GM:本来ならば、あなたたちを出迎えるのはそういうものだったろう。
GM:だが、一目見て異常が分かった。
GM:フロア一つが、激しい戦闘の余波によって、めちゃくちゃに破壊されている。
GM:水槽はひっくり返り、壁は爪で引き裂かれ、再現された魚はもう映されても居ない。
GM:頭にアンコウの被り物をかぶった洗脳スタッフは、ロッカーに叩き込められてしーーーーんと沈黙している。
GM:あなたたちの正面に、引き裂かれたメモ用紙がひらりと振ってくる。
GM:
『アンカーズの手記③』
作戦を変える。RBがいくら強くなったところで×××××鎖×××逆らえない。
当時のことを知る人間を拉致し、取り込ませて成長させる。有用なRBを献上し、あの方に認められたら、俺もRBとして不完全な人間の体から逸脱できる!
鎖の先にしがみつく者などという不名誉な地位からは、おさらばだ。
万歳! 偉大なるシャルヴ万歳! ……ん?
なんだ? あの、獣は――
GM:.
浅月 透:「なっ……これ、シャルヴって」
鳴海 真中:「……事態は、思ったより深刻だった…?」
GM:その時である。部屋の奥で、瓦礫が弾ける。
???:「ヌウ、オオオオオーッ!」
浅月 透:「待て……この、獣って…────!?」
鳴海 真中:「鎖、RB、シャルヴ。ここまで揃っていればアナイアレイター配下の組織で間違いないでしょう」
???:水族館にあるまじき虎顔の男が、瓦礫を吹き飛ばして立ち上がる。
虎の顔の男:「フウフウ……おのれぇい! 逃がしたか!」
鳴海 真中:「散下月さん!!」
浅月 透:「え!?」
虎の顔の男:全身から血と汗と何やら物騒な闘気を発しているが、鳴海真中ならば当然分かるだろう。
《散下月》:本来ならともに水族館に入るべきであったK市エージェント、《散下月》である。
《散下月》:「…………む!」ずかずかずかずか。
《散下月》:「ライルにプロキシ殿か! 何故ここに!?」
浅月 透:「何故じゃねーよ、こっちが何で?なんだわ」
鳴海 真中:「詳細は後程録音を起こしますがこちらも館内に突入しました」
鳴海 真中:「現在の状況はわかりますか?」
《散下月》:「いや…そうか、こちらが先行した形になるな! 恥ずかしい……」
《散下月》:「否……尊大な羞恥心!」
浅月 透:「意味絶対に違う」
《散下月》:浅月さんと会ったときは人間の青年だった。虎のキュマイラ能力者である。
浅月 透:「状況を説明してくれ、アンタ…その様子だと戦闘後か戦闘中だろ」
《散下月》:「どこから話したものか。俺は貴殿らとの共同任務のため、朝の五時から現地で待機していた」
鳴海 真中:「うーん始発すらない」
《散下月》:「だが待機中、明らかに民間人を拉致していると思わしきオーヴァードが、水族館の中に入っていくのを見てしまったのだ」
浅月 透:「まあそんな早朝に張り込んでるとは思わないわな」
《散下月》:「すぐさま連絡を取るべきだったが……俺はその間に敵を見失うことを恐れた。俺は奴を追いかけ、水族館の中に入った」
鳴海 真中:「なるほど、緊急事項には該当しますね……にしてもSMSくらい残していただければよかったのですか」
鳴海 真中:「はい」
《散下月》:「それは全くすまん。連絡しようと思い立った時には既に通じなくなっていてな……」
《散下月》:「奴はここに入り浸っていたらしい。逃げ達者でな。逃げては追い、攻撃しては逃げ、妙なメモ帳だの服だのしか破壊できなんだ」
浅月 透:「ああ、まだ逃げ回ってるのか」完全に”ナニカ”に殺される被害者枠と認識していた。
鳴海 真中:「なるほど……思ったより事態はリアルタイムで進行中だったのですね」
GM:よく見ると、深海魚エリアの破壊された部分が再生しつつある。
GM:RBの支配下の施設である以上、破壊痕は時間経過で消えて、手記だけが残っていたのだ。
《散下月》:「ああ。これは俺の自惚れではないと思うが、奴はオーヴァードとしては全くの弱小だ」
《散下月》:「だが……奴自身も明らかに持て余していたのだが、妙な『鎖』を後生大事に抱えていてな」
《散下月》:「どうも言動を見るに、他の強力なオーヴァードから借り受けた武装だか能力だからしい」
《散下月》:「それが実に厄介だった」
鳴海 真中:「こちらも手記を確認しました。内容からするに、G案件で間違いないでしょう。」
浅月 透:「……グレイプニル、改変基点の鎖か」
《散下月》:「そうそう! 確かその……焼きリンゴだったか」
《散下月》:「焼きリンゴではなかったか?」
《散下月》:「話には聞いていた。俺はザッハトルテなのだ」
鳴海 真中:「?」
鳴海 真中:ザッハトルテって何?
GM:情報:暗号または交渉で目標値8
浅月 透:ミストルティンのことかな
GM:知覚で目標値5。
GM:振ってください
浅月 透:交渉
浅月 透:6dx10+4+1>=8
DoubleCross:(6DX10+5>=8)→10[1,2,6,8,8,10]+2[2]+5→17→成功
鳴海 真中:完璧に理解してる!?
鳴海 真中:一応交渉で
鳴海 真中:4dx
DoubleCross:(4DX10)→9[2,3,6,9]→9
鳴海 真中:ギリギリなんとか
GM:じゃあ浅月さんは、《散下月》の中の知識、グレープ煮るとザッハトルティンについて理解できます。
GM:同時に気付くでしょう。彼の両手の鋭い爪が、ヤドリギ植物を象った光を纏って眩く輝いており……
GM:周りに、バラバラにされた鎖の断片が転がっています。
《散下月》:「どうにか鎖の方はナントカ倒したのだが、本人の方を逃がしてしまった」
《散下月》:「ここのRBが目的らしい。早く追わなければ」
浅月 透:「なるほど」キュマイラ/ミストルティンのオーヴァードだったわけか
《散下月》:そうです。難しいことは分からないぞ
鳴海 真中:「となると、目標はRBと推定アンカーズの接触阻止ですね」
《散下月》:「うむ! この俺も無論……」
《散下月》:立ち上がろうとして、そのままぐらりと体が傾く。
浅月 透:「了解、とはいえ鎖がない以上ここのRBへの干渉は難しいはず……いまの内に」
浅月 透:「アンタは少し休んでいろ、朝から追いかけっこしてたなら消耗もでかいだろ」
《散下月》:「ぐう……情けなし!」
鳴海 真中:「そうですね…休息を提案します」
《散下月》:「否……臆病な自尊心!」
浅月 透:「絶対間違ってる!」
浅月 透:「どっちに向かった」
《散下月》:「奴は、俺がつけた壁の亀裂から上に……」と、見上げたとき。
GM:ピーンポーンパーンポーン。
アナウンス:『――みなさん、こんにちは!ようこそ、水族館『コーラルパレス』へ!』
アナウンス:『ここは、キラキラ輝く海の仲間たちが集まる夢の楽園です。色とりどりのお魚、ふわふわのクラゲ、元気なイルカたちが、みなさんの笑顔を待っています!』
アナウンス:『館内はゆっくり歩いて、抵抗せず、安全に降伏してくださいね。水族館の良さを理解しない、愚かな人間も、さきほど捕えて教育しました!』
浅月 透:「あれ???こんなんだったっけ???」
アナウンス:『さあ、人類は素敵な海の奴隷になりましょう! そのくだらない人生を、コーラルパレスに捧げてくださいね!』
鳴海 真中:「……遅かった!、《散下月》さん!仕事を館内に取り込まれた一般人の救助に変更できますか!?」
《散下月》:「むん……それはこちらがやる!」気絶しているアンコウスタッフを抱え上げる。
GM:ぴし、ぱし。
GM:壁に亀裂が入る。そこから流れ出すのは……水。
浅月 透:「ちょお……ま、じか」
鳴海 真中:「とにかく上まで行きましょう!溺死は避けたいです!」
アナウンス:『イワーシちゃん、マグーロさん、キラキラ泳ぐよ海の底で、ピチピチジャンプ!』
アナウンス:『お魚フレンドと、ダンスダンス コーラルパレス、楽しさたっぷり コーラルパレス~♪』
アナウンス:一度だけ作詞され、あまり評判のよくなかったテーマソングが流れる。
浅月 透:「わかった、クソ……台車!」
GM:そして、壁から水流が溢れ出す。
GM:逃走は間に合わない。大水流に、押し流される。部屋の中心に水流が流れてきて、散下月と分断される。
GM:ドドド ドドドド ドドドドドドドド
《散下月》:「救助は……ちらで、やる……!」
《散下月》:「貴殿らは……RBを……止め………!」
浅月 透:「了解」
鳴海 真中:「了解!」
GM:そして、水に呑み込まれる。
GM:部屋の壁が砕かれ、めちゃくちゃに連結された水族館のエリアが、出鱈目に浮かんでいる。
GM:本来ならば抵抗の術などない。オーヴァードといえど、溺死から逃れられる者は多くはない。
GM:ただし。水族館のあらゆる通路とエリアを熟知し、さらに現時点において水族館に半ば取り込まれた姿の者ならば別である。
鳴海 真中:身重で溺れ…溺れ…ないな?
鳴海 真中:あ、そうだった、今私人魚だった。
GM:鳴海さんは溺れません。なんか息も出来る。人魚だからな
鳴海 真中:急いで周りを見ます、自分でなくても浅月さんが危ない。
浅月 透:こちらは影で作った即席のボンベが水流で持ってかれてヤバい
GM:浅月さんは溺れますね。
浅月 透:あばばばば
鳴海 真中:水流に流される浅月さんをダッシュ…実際には泳ぎなのだが、で抱えて
浅月 透:水を吸ったマフラーが絞首紐のごとし
鳴海 真中:マフラーをほどいて流す。首を絞める一方だ。
鳴海 真中:先ほどの小さな私が見ていた館内詳細図、忘れるわけもない。
浅月 透:「もご、もごご」
浅月 透:(まかせた)
鳴海 真中:ステージマイクがある都合アナウンス室直結のテーマパークエリア。イルカショーやペンギンショーの開催場所。
鳴海 真中:こくり、とうなずき走りだす。
鳴海 真中:右、左、直進してもう一回右
鳴海 真中:100mも全力で走ったことは無いけれど、この時ばかりは必死で走る。
GM:滑らかな遊泳。鰭が波打ち、通り抜けたあとに僅かな気泡が残る。
鳴海 真中:腕の中のこの人が、窒息する前に。
鳴海 真中:残り50m、もう直進するだけ。
鳴海 真中:(ま、に、あ、え~~~~~!!!!)
GM:――――――――――――――――水飛沫が上がる。
GM:.
GM:.
GM:シーン終了。次がクライマックス!
クライマックス
GM:クライマックス前なので、調達判定を行なってください。
浅月 透:鳴海さん何が欲しい?
鳴海 真中:とりあえず射撃武器かな
浅月 透:よし
鳴海 真中:至近された時用に一応自分でサブマシンガン買っておきます
鳴海 真中:4dx+4
DoubleCross:(4DX10+4)→6[3,5,6,6]+4→10
鳴海 真中:財産12あるし突っ張れば買えるな
鳴海 真中:財産12→8にして買います
浅月 透:一番モテる射撃武器って何だろう
浅月 透:アンチマテリアルライフルですね
浅月 透:見てろよみんな!
鳴海 真中:35ですよ!?
浅月 透:手配師使用
浅月 透:9dx10+2>=35
DoubleCross:(9DX10+2>=35)→10[1,1,2,4,5,6,8,8,10]+6[6]+2→18→失敗
浅月 透:くそあ!!
GM:このパート何?
浅月 透:あと一回転すれば!
浅月 透:はい
GM:では
GM:【クライマックス】
GM:――――――――水飛沫が上がる。
GM:それは、水族館コーラルパレス人気ナンバーワンエリア。海に面したイルカショーステージ。
GM:三日月状の観客席と、それに食い込むような、重厚なアクリル板で作られた巨大なプール。
GM:そのプールの内側に、あなたたちは飛び出していた。
鳴海 真中:ぱちゃん、と音を立てて飛び込み
鳴海 真中:そのままプールの上のステージにずべしゃ、と落ちそうになる
鳴海 真中:というか、落ちた。最後の気合で腕の中にいた浅月さんだけは落とさなかったが。
鳴海 真中:起き上がり、周囲を確認する前に浅月さんの肩を軽く叩く
鳴海 真中:「大丈夫ですか、意識ありますか」
鳴海 真中:いくら私がまわりを観察しても、この人が起きてなかったら詰みだ。
浅月 透:けほけほ、と。せき込みながら目を覚ます
浅月 透:「………ん」
浅月 透:「悪いな。助かった」小さく息を漏らしてから、酸素を取り込む。
鳴海 真中:よかった…と言わんばかりに盛大にいきを吐く
浅月 透:「敵の姿は?」
鳴海 真中:はっとして周囲を見ます
GM:では、水浸しでプールサイドにいる貴方たちの上方から声がする。
アナウンス?:『ようこそ、お客様。水族館コーラルパレスへ!』
アナウンス?:そこに浮いていたのは、開かれた本だ。
アナウンス?:古びている。付箋だらけで、書き込みも多い。『ここまでのアトラクションは楽しんでいただけましたか?』
鳴海 真中:そこに視点を集中させる。この人ならこれでわかってくれるはずだ。
浅月 透:「あれ、か」
鳴海 真中:こくり
浅月 透:立ち上がって、モデルガンを取り出す。濡れたジャケットも脱ぎ捨てた。
アナウンス?:『あなたたちも、コーラルパレスの為に働く気になっていただけましたよね』
浅月 透:「────生憎」
浅月 透:「復職したばかりなんだ。悪いけど、遠慮させてもらう」
鳴海 真中:びっちびっちと無様に尾を跳ねさせる。とてもじゃないけどかわいいマスコットのふるまいではない。
アナウンス?:『そんなことはありません。……やっほー、コーラルちゃん! 起きて! 子ども達が待っていますよ』
浅月 透:「俺達をここから出せ」
鳴海 真中:「うえ…またこれか…」とはいえ流石に耐性はついた。
アナウンス?:『ぴーんぽーんぱーんぽーん。疑問が解けました。完全に取り込んだはずのコーラルちゃんが。なぜパレスの意志の一部になっていないのか』
浅月 透:「?」怪訝そうに眼を細める。
アナウンス?:『あなたのせいのようですね。成人男性。20代。どの地方から来られましたか? 交通手段は何を利用されましたか――』
浅月 透:「なにを……」
アナウンス?:『あなたの力、コーラルちゃんを覆い隠している』
鳴海 真中:「……」浅月さんの後ろに隠れる、更なる洗脳を避けるためだ。
アナウンス?:『レネゲイドというようですね。あなたの、汚れて濁ったガラスのようなそれが、彼女への意志強制を遮っている』
アナウンス?:『覆い隠す力? 掻き消す力? 欺瞞する力? どれでもかまいません』
"アンカーズ":「う、ううう…………」
"アンカーズ":その背後に、消耗し、気絶した男性が浮いている。
浅月 透:「アレは……、メモの奴か」
浅月 透:「お前、なにを────」
"アンカーズ":「く、くそ……あのエージェントは約束してくれたのに……預かった鎖の力で、RBを連れてこれば、俺だけは取り立ててやるって……」
アナウンス?:『あなたの記憶を覗きました。どうみても、かのエージェントとやらは貴方との約束を守るつもりはありませんでしたね』
アナウンス?:《異能の継承:異形の痕》《超越的能力:集団支配》
"アンカーズ":「ウオ。ガ、ガアアアアアアア!?」
"アンカーズ":眩い光と共に、その体が異形に変じていく。
"アンカーズ":四肢が縮む。長い鰭。光を照り返す艶のある肌。長細い口と、意外にも鋭い歯―――
アナウンス?:「パレスパンフレット××年秋発刊『元気なこーらるちゃん、冒険にでる』第14頁行目」
アナウンス?:『コーラルちゃんは困(こま)っていました。あばれんぼうでおちょうしものの、オルカくんがやってきたのです』
"アンカーズ":「あ、ああ、ああああぁああぁ……! キュイ!」
オルカちゃん:妙に卑屈な表情の、ポップだが悪意を感じる目をした巨大なイルカが、空中から落ちる。
浅月 透:「ま、っじか」
オルカちゃん:水中から鰭が走り、発泡ポリエステル製のプールサイドを切り裂いていく!
パレス・ノーティス:『コーラルパレスは再開する。わたしはその通達を行なうためだけのもの』
浅月 透:「鳴海、出来るだけ攻撃は俺が捌く」
浅月 透:「援護と、指示があれば適宜頼んだ」
鳴海 真中:「承知しました」
鳴海 真中:「……その」
浅月 透:視線を少女へ
鳴海 真中:「死なないでくださいね、私は『玉串料』で、終わったらあなたと食べに行く約束をしているんですから」
鳴海 真中:にこ、とほほ笑んでギリギリ尾びれにくっつけたバッグを開く。
浅月 透:「ああ」
浅月 透:「約束だ……嘘じゃない」
GM:それでは、クライマックス戦闘を開始します。
GM:まずはエンゲージ。
GM:
【エンゲージ】
パレス・ノーティス/オルカちゃん
↑
(10m)
↓
浅月・鳴海
GM:また、この戦闘に限り、特別なPCカードが存在します。
GM:これは使用するまで、鳴海真中にしか明かされません。
鳴海 真中:!?
GM:
《PCカード:珊瑚の城の乙女》
(以下、秘匿事項)
GM:公開が終わりました
GM:それではセットアップ!
パレス・ノーティス:なし
オルカちゃん:なし
鳴海 真中:衝動判定無しですかね
GM:あ、忘れてた
浅月 透:あーい
パレス・ノーティス:話が通じる様子はない。周囲の水族館すべてが、まるで敵に回ったような脅威が周囲を満たす。
パレス・ノーティス:衝動判定です。目標値は9
鳴海 真中:8dx+4 意志
DoubleCross:(8DX10+4)→10[1,2,3,5,6,6,8,10]+1[1]+4→15
鳴海 真中:〇
鳴海 真中:2d10
DoubleCross:(2D10)→11[3,8]→11
浅月 透:6dx10+1>=9
DoubleCross:(6DX10+1>=9)→10[1,2,2,3,5,10]+5[5]+1→16→成功
浅月 透:80+2d10
DoubleCross:(80+2D10)→80+10[1,9]→90
鳴海 真中:鳴海真中の侵蝕率を011増加(81→92)
浅月 透:100に行かん~
GM:では改めてセットアップから!
鳴海 真中:常勝の天才L9、ラウンド間味方のATK+36、コスト6
鳴海 真中:鳴海真中の侵蝕率を6増加(92→98)
GM:イカれてる
パレス・ノーティス:なし
浅月 透:《錯覚のジェイゾロフト》怨念の邪石+極限暴走+背徳の理 暴走、ダメージ+2d10、判定ダイス+6侵蝕+3セットアップ終了時さらに+3
オルカちゃん:なし
GM:演出はなし。ではイニシアチブ!
オルカちゃん:恐るべきオルカちゃんの行動だ!
オルカちゃん:マイナーで≪完全獣化≫+≪破壊の爪≫+≪ハンティングスタイル≫
オルカちゃん:君たちのエンゲージに接近!
鳴海 真中:おわー
オルカちゃん:メジャー! ≪コンセントレイト:キュマイラ≫+≪獣の力≫+≪深き傷跡≫+≪獅子奮迅≫
オルカちゃん:二人に範囲攻撃、ダメージを与えたら次の攻撃力-10。
オルカちゃん:14dx7+4
DoubleCross:(14DX7+4)→10[1,1,2,2,3,4,4,4,4,4,5,6,8,8]+10[6,9]+6[6]+4→30
GM:リアクションは!
浅月 透:リア不
鳴海 真中:一応ドッジ
鳴海 真中:3dx+1
DoubleCross:(3DX10+1)→9[1,2,9]+1→10
鳴海 真中:駄目
オルカちゃん:ダメージ!
オルカちゃん:4d10+24
DoubleCross:(4D10+24)→18[2,1,10,5]+24→42
浅月 透:死 リザレクト!
浅月 透:96+1d10
DoubleCross:(96+1D10)→96+7[7]→103
鳴海 真中:リザ
鳴海 真中:1d10
DoubleCross:(1D10)→4
鳴海 真中:102
鳴海 真中:常勝の効果がATK40になります
オルカちゃん:つ、次の攻撃ダメージ-10……
GM:演出いきます
オルカちゃん:「キュイ! キュキュキュイ!」
オルカちゃん:海面を切りながら、イルカが高速で泳ぐ。
オルカちゃん:イルカが可愛らしく友好的な動物であるというのは誤りである。
オルカちゃん:バンドウイルカの体重は約400キログラム。一日に食べる魚類の量は、約10キログラム。
オルカちゃん:ざばあん! 水中から跳ねた高速の突進が、浅月さんを直撃する!
浅月 透:「かっ、ふっ」
浅月 透:利き手ではない腕でとっさに頭と胴────脳と心臓をカバーする。
オルカちゃん:吹き飛ばし、再びプールの中に突き落とす。
オルカちゃん:即座に反転。その鋭い牙で鳴海さんの尾の先端に噛みつくと、海の中に引きずり込む。
鳴海 真中:「ぎゃん」白い尾に噛みつかれてそのまま連れ去られる
浅月 透:骨が砕ける激痛に襲われながら、何とか少ない酸素を肺に回す。脳を動かす。
オルカちゃん:引き回すと、フグのように弄び、水面に放り投げる。
鳴海 真中:「なにするんですか!」べしべし、と暴れるけれど大した抵抗にはならない
浅月 透:影を伸ばし、振り子のような動きでイルカと少女の間まで移動。
浅月 透:「もがが」下がれの意
オルカちゃん:嘲笑うように人魚の尾から口を離す。距離を取り、二人の周りを旋回する。
浅月 透:こわい
GM:イニシアチブ。鳴海さんです
鳴海 真中:マイナーでサブマシンガン装備
鳴海 真中:メジャーでコントロールソート+コンセントレイト、精神で相手に攻撃、コスト4
鳴海 真中:対象はとりあえず未行動のパレス・ノーティスにしようかな
パレス・ノーティス:どうぞ!
鳴海 真中:8dx7+4
DoubleCross:(8DX7+4)→10[1,1,2,4,5,6,8,9]+6[1,6]+4→20
パレス・ノーティス:おっと、それは
パレス・ノーティス:《支配の領域》。二回転目の6を1に。
鳴海 真中:くっ
パレス・ノーティス:お前の達成値は15だ
浅月 透:こすい
パレス・ノーティス:ガードします。
鳴海 真中:ではダメージ
鳴海 真中:2d10+9-10
DoubleCross:(2D10+9-10)→8[6,2]+9-10→7
鳴海 真中:\しょっぱい…
パレス・ノーティス:3減らして4ダメージ。
パレス・ノーティス:これは勝ちましたね
鳴海 真中:にゃあん…
GM:演出どうぞ
鳴海 真中:(領域の核はあちら、だったらあっちを攻撃して様子を見る)
鳴海 真中:(守っても通っても対策はできる)強引に水面から顔をだし落としてたサブマシンガンをひとまず、打ち切るまで打つ
鳴海 真中:ばらたたたたた、と水族館に似合わない銃撃音が響く
パレス・ノーティス:「――――水族館コーラルパレス○×年 7月14日~9月28日」
パレス・ノーティス:「『ウミガメの産卵を見よう!』」
パレス・ノーティス:周囲に小さなウミガメの甲羅の幻影が出現。それは弾丸を滑らせて弾く。
鳴海 真中:(防衛機能あり、これは……過去の再生?)
鳴海 真中:銃はリロードせずそのまま持って離れる。相手が何をしてくるかわからない以上持たせるわけにはいかない。
GM:イニシアチブ。パレス・ノーティス
パレス・ノーティス:《オリジン:コロニー》《ポルターガイスト》
パレス・ノーティス:インプラントミサイルを破壊攻撃力+12
パレス・ノーティス:《コンセントレイト:オルクス》+《大地の牙》+《雷の砦》+《完全なる世界》
パレス・ノーティス:範囲攻撃 命中によって硬直
パレス・ノーティス:いきます
パレス・ノーティス:12DX7+2
DoubleCross:(12DX7+2)→10[1,2,2,3,3,4,4,5,6,9,10,10]+5[1,2,5]+2→17
パレス・ノーティス:マジかこいつ
鳴海 真中:回避を試みてみます
鳴海 真中:4dx+1
DoubleCross:(4DX10+1)→10[1,6,6,10]+6[6]+1→17
浅月 透:リア不
パレス・ノーティス:マジかこいつ!
浅月 透:マーメイド!
パレス・ノーティス:いいでしょう 浅月さんのみダメージ、硬直
パレス・ノーティス:2d10+26
DoubleCross:(2D10+26)→14[6,8]+26→40
浅月 透 :死 パレス・ノーティスに興味/嫌悪〇でロイス獲得 昇華復活
パレス・ノーティス:『水族館コーラルパレス×○年冬季発刊パンフレット 「コーラルちゃんと水中の花」第23頁』
パレス・ノーティス:『コーラルちゃんは目(め)を丸(まる)くしておどろきました』
パレス・ノーティス:『それは、とんでもなく大きい、おさかなのむれです。いわしの大群(たいぐん)が、あらしのように海の中をあばれまわっていたのです』
パレス・ノーティス:『これにまきこまれてケガをしたクラゲさんが、コーラルちゃんを呼(よ)んだのでした――』
浅月 透:「っ、おいおい……」これはまさか
パレス・ノーティス:『(※ いわしの大群は、中央エリアの大水槽で見られるよ)』
パレス・ノーティス:プールの中に、にわかに無数の魚影が現れる。
パレス・ノーティス:それは恐ろしい速度で、通り過ぎるものをみな斬りつけて去って行く刃物の群れのようだった。
パレス・ノーティス:突如、大渦が発生し、その内側にいるものを巻き込む!
浅月 透:イワシかなあそれ!?
鳴海 真中:とはいえ、マイワシの群れの動く向きは一度確定したらそうそう動かない
鳴海 真中:渦に沿いながら回避を試みる。
浅月 透:伸ばしてた影が群れに巻き込まれ渦に引き込まれた
パレス・ノーティス:パレス・ノーティスの攻撃は、この水族館のエピソードを再現し曲解した攻性幻影である。
パレス・ノーティス:パンフレットの内容も、コーラルちゃんの言葉も、書かれている通りのことが起きる。
GM:イニシアチブ。
GM:浅月さんどうぞ
浅月 透:はーい
浅月 透:イルカ潰すか。
浅月 透:いや、パレス先に潰したほうが良いかな
浅月 透:水族館を、壊します!
パレス・ノーティス:ヤメローヤメロー
浅月 透:コンセントレイト:ウロボロス+原初の赤:絶対の恐怖+道化の出し物 侵蝕+7
浅月 透:パレスを攻撃
浅月 透:15dx7+4+1
DoubleCross:(15DX7+5)→10[2,2,2,3,6,6,6,7,8,8,8,9,10,10,10]+10[1,1,2,4,7,8,8,9]+10[5,6,7,10]+10[9,10]+5[5,5]+5→50
パレス・ノーティス:?
パレス・ノーティス:が、ガード……
浅月 透:6d10+2+5+2d10+2d10+40-10
DoubleCross:(6D10+2+5+2D10+2D10+40-10)→35[7,9,1,10,3,5]+2+5+10[4,6]+9[8,1]+40-10→91
浅月 透:装甲無視
パレス・ノーティス:生まれたてのレネゲイドビーイングがそんな大層なHP持ってるわけないだろ!
パレス・ノーティス:素通しなら2倍死ぬ! が!
浅月 透:対抗種で3減ります
オルカちゃん:《子羊の歌》。その攻撃を引き受けます。
浅月 透:小癪~~~
パレス・ノーティス:イルカよりも先に水族館が死ぬわけにはいかんのだーーーーっ!
オルカちゃん:子イルカの歌です
オルカちゃん:当然、耐えられない! 倒れます
浅月 透:この常勝の天才キマルわ~~~
浅月 透:「もういい、終わらせてやる」
浅月 透:全身の切り傷を影で覆い、体内で生成した鎮痛剤を全身に回す。
浅月 透:モデルガンを持つ腕を覆う形で、ハリボテの銃身が形成されていく。
浅月 透:それは金属の無機質さと、節足動物のような生物性が歪に混ぜられたような形であり。
浅月 透:見る者に潜在的な生理的嫌悪を与える。
パレス・ノーティス:発生直後のRBである。アンカーズの記憶から、ある程度のレネゲイド知識を取り込んではいるものの
パレス・ノーティス:そのレネゲイドが何を目的として、どのような効果を為すものなのか。想定できない。
浅月 透:生憎、相手の思考は把握しきれず、共感はほとんど出来ていない。
浅月 透:共心による精神的な接続はかなり弱い。ので
浅月 透:シンプルに、加害性で相手を破壊する。
浅月 透:銃は凶器、施設を破壊するにはわかりやすい。
浅月 透:幻覚の弾丸を建物中にばらまく。
パレス・ノーティス:『!』
パレス・ノーティス:キィィン、とアナウンスのハウリング。それは何らかの指令を配下に発した。
オルカちゃん:幻覚の弾丸が周辺施設のレネゲイドを致命的に破壊する前に。高速で旋回していたオルカがジャンプし、その大半を受け止める。
浅月 透:舌打ち。しかし、厄介な遊撃手が消えた。数の優位はこちらに移る。
オルカちゃん:「グ……!? キュイ……が、ぁあああああ!?」水族館によって与えられていたイルカの外装が剥がれ、
アンカーズ:人間の姿に戻った男が、ジャンプの勢いのまま観客席に突っ込んだ。
浅月 透:「アイツをやれば、変身も解除か」
パレス・ノーティス:『お客様。施設内で銃の使用はご容赦狙います――――』
パレス・ノーティス:その危険性に、改めてレネゲイドをわざめかせる。「×○年×月、深海生物展。○×年×月、有毒生物展。××年○月――」
GM:そして全員が行動終了。最後のイニシアチブです。
鳴海 真中:はい、ここで宣言を
鳴海 真中:《PCカード:珊瑚の城の乙女》を使用します
GM:使用を了承しました。
浅月 透:なんだなんだ
鳴海 真中:協議の結果先に演出からします
GM:どうぞ
鳴海 真中:
鳴海 真中:『水族館コーラルパレス×○年冬季発刊パンフレット 「コーラルちゃんと水中の花」第23頁』
鳴海 真中:『コーラルちゃんは目(め)を丸(まる)くしておどろきました』
鳴海 真中:『それは、とんでもなく大きい、おさかなのむれです。いわしの大群(たいぐん)が、あらしのように海の中をあばれまわっていたのです』
鳴海 真中:『これにまきこまれてケガをしたクラゲさんが、コーラルちゃんを呼(よ)んだのでした――』
鳴海 真中:たまたまではあったが、その年のその本は、読んでいた。
鳴海 真中:一文一句空で内容を言うこともたやすい。
鳴海 真中:そして、これもたまたまなのだが
鳴海 真中:先ほどイワシの大群に巻き込まれてけがをした者が、目の前に一人。
鳴海 真中:『クラゲさん、大丈夫?』
GM:イワシの大群にまきこまれてケガをしたクラゲが、人魚姫コーラルを呼んだ。それは、イワシの大群を止めてもらうため。――それだけではなかった。
鳴海 真中:コーラルちゃん/私はクラゲさん/あなたを連れて海底の洞窟に駆け込み
鳴海 真中:「大丈夫、すぐに良くなるからね」
鳴海 真中:いやしの力でくらげさんの怪我を治したのだ。
鳴海 真中:コーラルちゃんと水中の花の記述通り、あなたの怪我は治り、活力が戻ってくる
浅月 透:「……続きは」
浅月 透:痛みが消える、身体が動く、少女の姿を瞳が捉えている。
浅月 透:「……続きは、どうなるんだ」
GM:カードの効果を公開します。
GM:
《PCカード:珊瑚の城の乙女》
あなたは水族館コーラルパレスにあった発刊パンフレットの内容を覚えている。
サンゴに住む人魚コーラルちゃんは、元気のないお友達の魚に接触し、活力を与える力を持っている。
現在の水族館内において、それは実際に力を持つ。
イニシアチブで宣言する。周囲のレネゲイドを収束し、同エンゲージ内にいる、自分を除く行動済みのPC1名のHPを全回復し、未行動にする。
鳴海 真中:ということで浅月さんのHPを全回復し、未行動にします
浅月 透:わあい
鳴海 真中:はえっ、という言葉は泡になった。代わりに驚いたような顔をしている。
鳴海 真中:「『コーラルちゃんは怪我が治ったクラゲさんと力を合わせてイワシたちを落ち着かせました』」
浅月 透:「わかった」
浅月 透:ちらりと視線を合わせ、小さく微笑む。
浅月 透:そして、パレスに向かい合う。
パレス・ノーティス:『…………ああ』
パレス・ノーティス:『あなたしか――――あなたしかいません』
パレス・ノーティス:『この世界で誰一人だって、書いた当人だって、もうそんな文言は覚えていない!』
パレス・ノーティス:『あなたがいて初めて! 私は存在できる!』
パレス・ノーティス:『あなたの眩く輝く記憶のその全てを、私に捧げなさい!』
浅月 透:「────────」その叫びを、聞き届けて。
浅月 透:困ったように笑って、目を閉じる。
浅月 透:目を開いた時には、もう笑っていなかった。
浅月 透:(ああ、そうか)
浅月 透:(ようやく、お前という存在を理解できた)
浅月 透:わかるよ。そして、それは許されない。
浅月 透:共心術。精神のラインがパレス・ノーティスと浅月の間に紡がれる。
浅月 透:(存在したいというお前の想いを、俺は否定しない)
浅月 透:だが、引き金を引く。
パレス・ノーティス:『どきなさい。どきなさい。――どけ、お客様!』
浅月 透:精神のラインを通して、自己嫌悪が流れだした。
浅月 透:「鳴海真中も、お前にとって”お客様”だったはずだ」
浅月 透:「そのことも、忘れちゃ駄目だったんだよ……」
浅月 透:
浅月 透:《共心術》コンセントレイト:ウロボロス+原初の赤:絶対の恐怖 侵蝕+6
浅月 透:15dx7+4+1
DoubleCross:(15DX7+5)→10[1,2,3,4,4,4,5,7,7,7,7,7,9,10,10]+10[1,1,3,4,5,6,7,7]+10[5,10]+4[4]+5→39
パレス・ノーティス:ガード。
浅月 透:4d10+2+5+2d10+2d10+40-10
DoubleCross:(4D10+2+5+2D10+2D10+40-10)→25[8,6,5,6]+2+5+13[7,6]+8[2,6]+40-10→83
浅月 透:装甲無視
浅月 透:対抗種でー3
パレス・ノーティス:HPは50。装甲なし。倒れます。復活なし。
パレス・ノーティス:発生直後の、存在理由だけを求め貪欲に成長を続けたRBは。
パレス・ノーティス:――――その、咲き始めたばかりの情緒のせいで、自らを殺すこととなる。
GM:ぱ ら
GM:ぱら ららら ららららら
GM:乾いた銃声にも似たその音は。開かれた本から、ページが破れ、離れていく音だった。
パレス・ノーティス:それは、かつてのスタッフ達の想いが結集した一冊だった。
パレス・ノーティス:コーラルパレスの、施設の特質。生き物たちの性格。売り出し方。新しい企画案。
パレス・ノーティス:少しでも長く続くように、楽しく美しい施設にしたいという想いが、びっしりとルーズリーフにまとめられた分厚いファイル。
パレス・ノーティス:この水族館が、外部都合によって閉鎖された際に置き去りにされたもの。
パレス・ノーティス:それら一枚一枚が、繋ぎ目が劣化し、離れ、本来の時間通りに朽ちて、散ってゆく。
パレス・ノーティス:……この世界に数多ある、RBでなければ悲劇にすらならない、他愛のない、ありふれた忘却の欠片であった。
GM:RBが、ただの古めかしいファイルに戻る。
GM:パレス・ノーティスによって往年の姿を取り戻していた水族館の外装が、元通りにひび割れ、錆びて、朽ちていく。
GM:空間の閉鎖は解かれ、部屋の繋がりも元通りになっていることだろう。
鳴海 真中:「はっ」
鳴海 真中:今は人魚でこそあるが、私は元より泳げない。
鳴海 真中:はやく出られるうちに出ないと、今度は私が溺れるのは想像に難くない
鳴海 真中:頑張ってその場でじたばたするも、人魚の体では這い出すのが難しい。
GM:というか今の状況でプールサイドや観客席にあがるのも逆に危険であった。
GM:空間復旧に伴う天井や柱の崩落に巻き込まれる可能性を考えると、落ち着くまでプール内に留まっていた方が安心だ。
鳴海 真中:あれ、詰んだ?
浅月 透:そして、水すらも消える可能性を考えていたこともあり────
浅月 透:「………セーフか?」いろいろな意味で
鳴海 真中:そうしてじたばたしている間に
鳴海 真中:あ
鳴海 真中:元の姿に戻り、同時に水がなくなったことでつるん、と足を滑らせて
鳴海 真中:仰向けに転がる。びしょぬれのセーラー服と素足が見える。
鳴海 真中:「~~~~っつう~~~~」
浅月 透:「あーあーあー……」
浅月 透:「立てる?」
鳴海 真中:「すみませんちょっと時間ください…」
浅月 透:とはいえ、建物崩壊も近い。
浅月 透:「………ん~~~鳴海さん」
鳴海 真中:「はいなんでしょう」
浅月 透:「一度やっちゃった以上、二回目があってもあんまり変わらないというか」
浅月 透:「なんか、緊急時にこういうので頭を悩ませるのも逆にキモイというか」
浅月 透:「なんかというと、まあ許してほしいという話なんだけど」
浅月 透:「他意はない。脱出を急ぎたい。貴女の安全を守りたい」「OK?」
鳴海 真中:「えっあっはいOKです」なんでこんなに前置きしてるんだろ?
浅月 透:と、返事をもらう前に。抱えます。
浅月 透:横で
鳴海 真中:「返事の意味~~~~~~~!」
鳴海 真中:と言いつつも暴れたりはしない。
浅月 透:横というのは、観測者の主観に任せます。
浅月 透:「………対策室の方には内緒にしてほしい」
浅月 透:なんか情けないこともいいながら瓦礫をスイスイ避けて出口まで向かいます。
鳴海 真中:「……」
鳴海 真中:とても恥ずかしい状態だなこれ……と思いつつ
鳴海 真中:「羽鳥室長に隠し通せるかわかりませんが善処します……」
浅月 透:「コンプラ研修が怖いなあ!」
浅月 透:そう言って、駆け抜ける。
浅月 透:「ああ、そうだ……今更だけど」
浅月 透:彼女と再会してから、言っていなかった台詞がある。
浅月 透:一瞬だけ、視線が合って
浅月 透:「……ただいま」
鳴海 真中:「………」
鳴海 真中:顔を真っ赤にして、口をしばらくぱくぱくさせてから
鳴海 真中:「………おかえりなさい」
GM:――――――――――――――――――――
GM:クライマックス終了! バックトラック!
GM:一夜二人転の仕様によって自動で50下がります。
GM:150越えてる人いる?
浅月 透:いえ
GM:OK では二人とも帰還! 明日はEDです!
鳴海 真中:やったー
浅月 透:わーい
エンディング
GM:【ED K市海辺の旅館にて】
GM:こうして、コーラルパレスを巡る事件はひとまずの解決を見た。
GM:元凶となっていた暴走RBは討伐。内部に取り込まれていた関係者達も、《散下月》の手で助け出された。
GM:"アンカーズ"と名付けられていた、シャルヴエージェントの戯れによる末端の手下も
GM:貴重なG案件の証人として捕縛されている。
GM:あなたたち二人は、外部協力者として事件を解決に導いてくれたことに深く感謝され、
GM:戦闘と脱出によって泥塗れになった衣服も着替え、休息した後、K市の来客用の料亭にて、食事を提供されていた。
店員:「この度は誠にありがとうございました。すっかりお疲れでしょう」
店員:「ささやかながらお料理を用意いたしましたので、ゆっくりお楽しみください」
店員:「浅月さまは……お酒などは嗜まれますか?」
浅月 透:「え、あ~~」ちらりと少女に視線を
鳴海 真中:「…別に私の顔色見なくてもいいんですけど」
浅月 透:飲むには飲むが、この後駅まで送ることを考えると不安だ。
浅月 透:別に強くはないので。
浅月 透:「ノンアルで」
店員:「かしこまりました。お飲み物はこちらからお頼み下さい」メニュー
店員:「それではまずは前菜の、枝豆と玉蜀黍二色寄せ、じゃがいもの摺り流し 蓴菜のお浸しになります」
店員:音も立てずにお茶を注ぎ、店員は下がっていく。
鳴海 真中:店員さんに頭を下げて見送り
鳴海 真中:「いただきます」と手を合わせる
浅月 透:こちらも手を合わせて。
浅月 透:「いただきます」
浅月 透:緑のものから食べていく。普段食べないので。
鳴海 真中:育ちは普通だ。可もなく不可もないマナーで食べ進めていく
鳴海 真中:「…ゆっくりご飯を食べるのも久しぶりですね」
浅月 透:成長期なんだから……と言おうとしたが、さすがにおっさんくさすぎるので止める。
浅月 透:「まあ、たまにはいいだろ。こういうのも」
鳴海 真中:「…そうですね」
浅月 透:黙々と食べる。
浅月 透:「…………」
鳴海 真中:同じく黙々と食べている
浅月 透:え、何話せばいいんだろう。こういう時って。
店員:「失礼します。こちら、旬のお作りになります」刺身の盛り合わせが出される。
浅月 透:「あ、どうも」
浅月 透:ナイス
鳴海 真中:「ありがとうございます」
店員:「右から中トロ、天然鮃、地元で採れた白海老、……」
店員:説明をして去っていく「ごゆっくりお楽しみください」
鳴海 真中:笑顔で見送って
鳴海 真中:「白海老採れるんだここ」
浅月 透:日本海側なのかも
浅月 透:ちびちびとノンアルコールビールを飲んでいる
浅月 透:「鳴海は」
鳴海 真中:「はい」
浅月 透:「好きな食べ物とかあるの」
鳴海 真中:「……魚と、あとあんまり見ないけどココナッツウォーターですかね」
浅月 透:「ココナッツウォーター……?」
鳴海 真中:「本当にたまになんですけどスーパーに置いてあるんですよ」
浅月 透:「へぇ~~」今、ヤシの実しか浮かんでない
浅月 透:「味の想像がつかないな」
浅月 透:ヒラメを食べながら。白身が好き。
鳴海 真中:「あ、あとカイワレ大根好きです」
鳴海 真中:「鰹のたたきに乗せて食べるのがおいしいので」
浅月 透:ふんふん。と聞いていく。
浅月 透:「カツオか~~、今は若干旬じゃないか」
浅月 透:秋とかかな
鳴海 真中:「もうちょっと後ですかねえこの辺だと」
浅月 透:ああ、初ガツオもあったか
浅月 透:「ここら辺は、結構漁業やってそうだし」
浅月 透:「色々食べれるかもな」
鳴海 真中:「……また来ます?」
浅月 透:「……え」驚いたように少し目を開いて。
鳴海 真中:「あ、いや、あなたさえよければですけど」
鳴海 真中:「少なくとも大都会のスイーツパラダイスとかよりは…いいかなって…」
浅月 透:「………いや、うん」「俺でよければ」
浅月 透:「俺が行きづらいな、そっちは………」甘いものは好きだが
鳴海 真中:「あなたでいい、いや、ちょっと違うかもですね」
鳴海 真中:「幸せになるなら、あなたの隣がいいかな」
浅月 透:「……………………………」
鳴海 真中:「……浅月さん?浅月さーん?」
鳴海 真中:「さっきまであんなに饒舌だったのにどうしちゃったんですかー」
浅月 透:「別に饒舌ではなかったと思うんですが」
浅月 透:「あ~~~~、うん」
浅月 透:「まあ……せ、席替えとか、頼んでおく?」一旦息を整える。
浅月 透:「違うね、違いますね」
浅月 透:手で口元を覆い、目を細める。
浅月 透:「………まあ、なんだ」
浅月 透:「そういう、前向きな言葉を聞けたのは……その、嬉しいよ」
浅月 透:「鳴海は、何となく足元が不安だったから」まあ、紙風船みたいな自分が言うのもなんだけど。
鳴海 真中:「…」
鳴海 真中:「……本当は何ですけど」
鳴海 真中:「遅かれ早かれ死ぬと思ってたんですよね、私」
浅月 透:なんで、とは言わない。当人の感覚でそう感じていたなら真実だ。
浅月 透:俺には、わからない。けど、聞こう。
鳴海 真中:「で、どうやって生き残るか、というよりは、何をして死ぬか、ということばかり考えてて」
鳴海 真中:「一番その中でもマシかなー、って思ってたのが」
鳴海 真中:「あなたをもし誰かが処刑しよう、とか言い出した時、代わりになることかなって」
浅月 透:「嫌な例えやめてよお」
鳴海 真中:「でも、やめました」
鳴海 真中:「あなたがまだ私は幸せになれると言ってくれたから」
浅月 透:「………………いや~~~」
鳴海 真中:「もうちょっとだけ、今からでも幸せになれないか頑張ってみます」
浅月 透:「泣きそう」
鳴海 真中:「そんなに!?」
浅月 透:「いや、おまえ、俺がそんなに思い詰めていたことを察知出来てたと思うか???」
浅月 透:「話聞いてる最中背中ひえっひえだったよ!」
鳴海 真中:「勿論察知させるつもりなんてなくて墓場まで持っていくつもりでしたが???」
浅月 透:「まじでさぁ~~~~」
浅月 透:「保護者共も悲しむだろ~」
鳴海 真中:「あ、これ泉さんには内緒でお願いします。発狂しかねないので」
浅月 透:「ええ、じゃあ俺すごく偉くないか?」やっぱ酒飲もうかな。
浅月 透:「まあ、ほんと……」
浅月 透:「よかったよ」気が抜けたようにふにゃふにゃになる
店員:「お待たせいたしました。こちらズワイ蟹の甲羅焼きになります」一人用の七輪と一緒に、ひっくり返された焼き蟹が運ばれてくる。
鳴海 真中:「ありがとうございます」
鳴海 真中:「アツアツだ…おいしそう」
浅月 透:「ん、っっ」やけどしそう
鳴海 真中:「あっちょっとゆっくり食べないと危ないですよ」
鳴海 真中:「もう…」と言いつつも顔はふふっと笑ってた
浅月 透:その笑みを見て。
浅月 透:”ああ、良かったな”と。只々、思っていた。
GM:――――――――――――――
GM:同日 夜
GM:K市 浜辺沿い 市駅に続く小道
浅月 透:「タクシー呼ばなくてよかったの?」
鳴海 真中:「さすがに夜も遅いですしね」
鳴海 真中:「あんまりタクシー会社さんに負担かけるわけにもいきません」
浅月 透:「若い子はそういうの気にせずに使ったほうが良いよ……」
浅月 透:今の状況もまあ怪しいんだけどね
浅月 透:「職質がこわいなあ」ぼそり
浅月 透:セーラー服だしなあ
鳴海 真中:「ちゃんと言えば大丈夫ですって…多分」
浅月 透:「多分やめよう」
浅月 透:「まあ、その時は弁明頼むわ」
鳴海 真中:「はい」
浅月 透:自分が説明すると拗れそうだし。
浅月 透:波の音。二人分の足音。少しだけ冷たい風。
浅月 透:「鳴海」
鳴海 真中:「なんでしょう?」
浅月 透:少女のことを幸せにする。そんな薄っぺらい言葉、口が裂けても言えないし。
浅月 透:自分が、それに足るような人間だと思えない。信じられない。
浅月 透:再開の約束を果たすため。変わろうとして、停滞して、藻掻いて、流されて。
浅月 透:結局、変化なんて実感できていない。
浅月 透:自分は、いつだって軽薄で。自分のことも周りのことも理解できず。
浅月 透:いつだって、全部を台無しにしてしまう。
浅月 透:けど、それでも、今は
浅月 透:「……居るから」
浅月 透:「これからは、近くに居るから」
浅月 透:「幸せになろうとするの、やめないで」
鳴海 真中:「……まったくもう、なんて顔してるんですか」
浅月 透:ああ、上手く言葉にならない。
鳴海 真中:「頑張りますよ、たとえ今日の事が一時の夢だったとしても」
鳴海 真中:「私が、それを忘れるわけないじゃないですか」
浅月 透:「そうだな……」
浅月 透:「だったら、さ」
浅月 透:「俺が、もし忘れてしまっても……思い出させてほしい」
鳴海 真中:「それは、お願いですか?」
浅月 透:「ああ」
鳴海 真中:「わかりました、そのお願い受けます」
鳴海 真中:「あなたが何をどう迷って生きているのかなんて私には全然わからないけど」
鳴海 真中:「あの日も、今日も、あなたの言葉が私の心を救ったのは事実ですから」
浅月 透:「……次があっても、その次があっても、俺でいいなら何度でも言うよ」
浅月 透:「お互いさま、だ」
浅月 透:それは、もしかしたらお互いに釣り合っていないものを与え続けているのかもしれない。
浅月 透:お互いが、お互いをよく見えないまま恵み合っているのかもしれない。
浅月 透:結局、自分は目の前の少女のことをこれっぽっちも理解できておらず。
浅月 透:互いの不確かな像に視線を向けているだけなのかも、しれない。
浅月 透:けれど
浅月 透:いつか壊れる未来が、可能性があるとしても、今だけは
浅月 透:少女に向けた自分の言葉を────信じてみたかった。
GM:【K市UGN支部 資料保管室】
ファイル:薄暗い倉庫に、古びて破れたファイルが置かれている。
ファイル:それはもうレネゲイドの力を失い、回収された、ある水族館の資料。
ファイル:拾い集められた頁には、他愛もない写真だけが残っている。イルカショー。水槽の掃除をするダイバー。シャチに水をかけられて泣く子ども。
ファイル:その最後の一枚に、職員すら気付かないうちに、一枚の写真が増えている。
ファイル:背の高い男が、人魚となった少女を抱えて、走っている写真。
ファイル:急ぎ慌てながらも、親密に、楽しそうな様子で。
GM:それは幻想の絵画。ただひとときの夢の景色。
GM:泡沫のような青年と、人魚姫の結末は、まだ、誰も知らない。
GM:『一夜二人転 浅月透と鳴海真中の回遊』 fin
GM:――――――――→ To Be Continued?